I'm yours, forever
ホトトギスの続き
この間月から貰ったあの花。ちゃんと枯らさずに帰ることができた。(僕は体温が高いから握ってると萎れてたりするんだ) そして今日、地球と予定があったから花言葉を聞きに行くことにした。それから、お礼に何か贈り物をしたいから。
「地球ー、来たよー」
呼び鈴があるのは知ってるんだけど、月の家の癖でつい叫んでしまう。月に呼び鈴つけさせようかな。だってたまに聞こえてないんだもん。
「庭に来てくださーい!」
ふむ、あまり踏み入れたことのない場所なだけにテンションが上がる。無駄にニヤニヤしないように口許を引き締めなければ。
「すいません太陽さん、手入れしてたもので…」
「気にしないで。あ、それホトトギス?」
「そうです」
「今日はその花言葉聞きに来たんだ」
「え?あ、あー、成る程そういうことか」
目を丸くしたと思ったら勝手に納得したみたいで、顎に手を当てて頷いている。僕にはさっぱりなんだけど、説明してくれないかな。
「ふふ、月さんは恥ずかしがりですからね。ホトトギスの花言葉はー…」
ーーーーー
僕は地球に花を貰って、急いで月の家に向かった。月みたいに優雅な交通手段なんて持ってないからひたすらダッシュ。もちろん空中を。汗はすごいし足だってがくがくだし、お腹も痛いけど、頑張る。頑張って頑張って、月まで走るのだ。
「いくら地球から近いって言っても、さすがに、きつい…!」
家の前まで来て、僕は座り込んでしまった。違和感を感じてか、月が玄関から顔を覗かせた。
「太陽!どうしたのだ!」
「えへへ…地球からダッシュした…」
「馬鹿か…衝羽根朝顔?」
呆れて視線を落としたときに気付いたらしい。けど今なんて言った?き、教養のない僕にもわかる言葉にしてください… そう思って目を見るとペチュニアだろう、とたずねられた。
「うん、そう!あげる!」
「俺にか」
「うん!花言葉は あなたがそばにいると心が和む、だよ。ねぇ、お願い、ホトトギスの花言葉、月から直接聞きたい」
鉢に綺麗に植えられたペチュニアを見つめる月を鉢ごといっぺんに抱き込んで耳元でささやく。すると肩が動いて視線を合わせられた。
「し、しらない」
「嘘つき。地球から聞いてるんだから観念しなさい。月、教えて?」
「…え、えいえんに………っあなたの、もの」
顔を真っ赤にさせて、うっすら涙の膜まで作って、そんなに恥ずかしいかなーって思ったりしなくもないけど、今はそれどころじゃない。可愛い。この場で押し倒してしまいたいくらい、でも青姦なんてしようものなら命が危ない。 おでこに、まぶたに、鼻に、ほっぺに、口に。 順番にキスしていったら落ち着いてくれたみたいで、赤みは消えていないものの涙は引いてくれた。
「絶対離してやんないからね」
笑うと月も、笑ってくれた。
ホトトギス 花言葉は 永遠にあなたのもの
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