神木さん、神木出雲さん。貴女が望むならそばにいます。貴女が望むならいくらでも貴女を愛します。貴女が望むなら、この心臓を捧げることさえ、僕はためらいません。だから、どうか、僕を愛してください。おねがい、愛してよ、ねえ。出雲ちゃん。



ひどく小難しい言葉に幼稚な本音を並べて志摩は懇願した。膝を折り手を差し伸べて、まるであのヨーロッパが栄えた中世の頃の、騎士を思わせる仕草で。

どきどきした。

彼がいかにあたしを求めているか解ったから。胸の中で警報がなる。危険だ。これより深く彼の中に踏み行ってはいけない。彼が狂っているのはずいぶん前からしっているじゃないか。まだ、壊れ物にはなりたくない。近づいてはいけない。ああ、でも、だめ。だめだ、好きだ、そばに居たい。愛している。







「あたしも、すきよ」

「ほんまに?」





破顔した彼の目だけは、狂気の色をしていた。



すきすぎておかしい