「あいしてるからね」

馬鹿みたいにそんなことばに一喜一憂しちゃって。流れるままに流されて何度も重ねちゃって。戻れないとこまでいっても我が儘いって「どうしても」っていわせちゃって。


「あたしのこと好き?」

「勿論」


確認と確かめと答えあわせを繰り返さないと安心なんてできない。自分の愛と彼からあたえられている愛が釣り合っているか、作用しているか、不安でたまらなくなる。


「ほんとうに好き?ちゃんと好き?」

「うん、いちばん好きやで」

「嘘はいけないのよ」


いいことづくめの夢みたいな時間をいっしょに過ごす。たぶんあたしは志摩がすきすぎる。足をつって、水のなかに溺れていくように、まるでそんなふうに彼に溺れていく。不可抗力。深く、沈む。呼吸も、鼓動もあなたに奪われていく。水分。飽和。原形質流動。濃いあなたのなかで破裂する。


「今日は、帰らないの?」

「うん、出雲ちゃんと一緒に居りたいから」


笑っちゃだめだ。喜んだら敗けだ。知っていて、理解しているのに馬鹿すぎる心臓は高鳴った。でも、


「でも、奥さんのお腹のなかに赤ちゃんいるんでしょ?」

「あ、知ってるんや」


ねえ志摩、奥さんが孕んでて出来ないからあたしのとこにくるの?それとも奥さんに飽きたの?奥さんが居なくても来てくれる?あたしが、もうセックスできなくなっても、会いにきてくれる?

いいことづくめの夢から醒めたわたしの脳内環境はラブという得体のしれないものに侵されてしまいまして、それからは?


♪裏表ラバーズ
しま←いずの結果がこれだよ!\(^О^)/

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