※普通に時間年齢操作










生徒会長で、首席で、イケメンで、5月の風みたいに爽やかな人がいるのよ、とお友達の出雲ちゃんが言った。
わたしは5月の風を思い浮かべながら、へえ、と返す。
高校にはすごい人がいるんだなあと思った。










いざ見てみたらすぐにわかった。入学式で代表挨拶をした先輩だった。




こんにちは、生徒会長のおくむらです。桜の咲くこの季節、希望を持って入学する皆さん………。





ながぁいスピーチがはじまる。わたしは半分聞き流しながら考えた。おくむらだって。奥村、かなあ。


目を凝らして壇上で話す男を見ると、確かにすごいイケメンだった。自信に溢れた面持ちがそれに更に拍車をかけている。

すごいなあ。
かっこいいなあ…。


自分もいつか、あんな風に胸を張れたら、と思った。






じい、とただ彼の目を見つめていたらやがて目があった。正面から見るとやっぱり顔が整っているのがよくわかる。息がつまるほど見つめた。

眼鏡の奥、大人びた瞳、綺麗だけど何処か寂しそうな蒼色。




「これから、試練もあります。楽しいこともあります」




彼は続ける。在り来たりな台詞なのに、彼が紡ぐだけで全く別のものみたいだ。
自意識過剰かもしれないけど、多分まだわたしと目があってる。




「しかし、すべて含めて一度きりの高校生活なのです」





その瞳に、声に、吸い込まれそうだと思った。





「僕の送る言葉はこれだけです。後悔のない、精一杯の高校生活をおくってください」





盛大な拍手。彼の頭が深々と下がる。頭があがったところで、また、目があった。


彼の口角があがる。


微笑み。


なんて綺麗な笑顔。










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このあとしえみたんは雪ちゃんに憧れて生徒会に入ります、そんな雪しえ何処かにないですか←

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