許さないで忘れないで泣かないで


「ねえ、正臣。もしもね、もしも、私たちが出逢わなかったらね、きっと、お互いを知らずにいたら、お互い、こんな風に思うことはなかったよね、正臣が私に罪悪感を抱くことも、私が正臣をうしろめたく思うことも、なかったよね。なかったんだよね。そうだよね?でもね、私、正臣が好き、正臣が大好き、今までもずっと、きっとこれからもずっと。もしも、もしもね、正臣の目が見えなくなっても私は変わらず正臣の前でおめかしするし、正臣の前で可愛く笑うようにする。正臣の耳が聞こえなくなっても、口が利けなくなっても、私は正臣に語りかけるし、耳を澄ますよ。正臣がいるなら、それだけでいいんだ。見返りなんて、いらないの。正臣はさ、私と同じくらい弱いから、強がりなのも知ってるよ、だからこんなことしたんでしょ?私ね、呆れるくらい正臣のこと好きなんだよ。大切なんだ。正臣はね、こんなにくだらない私の世界に光を射してくれた人なの、私の救世主なんだよ。恥ずかしいから言わなかったんだ。ごめんね。正臣はさ、私のこと好きだった?嫌いだった?付き合ってたのは、愛から?罪悪感から?それともその他の感情?私としては、愛がいいかなぁ。私は正臣を愛してるし。ふふ、臨也さんみたい。正臣がね、私を大切に思ってくれてたこと知ってるよ、知ってたよ。だから私幸せだった。正臣の腕に包まれてるときも、正臣の傍で笑ってたときも。呆れるくらい幸せだったの。ごめんね正臣、ごめんね。私が。私が悪いんだよね、ごめんね。こんな姿になって、傍にいてくれたのに、ごめんね、私が笑ってたからでしょ、正臣が、そうなったの、私のせいでしょ、ねえ、肯定してよ、正臣、正臣、私が愛してるって好きだって大好きだって言ったからでしょ、正臣、触れたから抱き締めたからキスしたからでしょ、ねえ、なんで、正臣、正臣、どうして、正臣、そうなったの、正臣、ごめんね、私絶対、正臣を一人にしないって思ったのに、守ってもらった分守らなきゃならなかったのに、こんなに赤くなるまで、勇気出せなくて、腐るまで、ごめんね、正臣がこうなるくらい、わかってたのに、恋人なのに、わたし、あのね、正臣、私もね、まさおみみたいになりたいんだ、正臣が使ったやつ、正臣のでまっかになって取っ手はべたべたのぐちょぐちょだけど、おなじの使うね、まさおみ、まさおみ。さよなら、わたしにいきるいみをくれたひと」

あなたのいないこんなくだらないせかいにさよなら

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