リハビリテーション | ナノ
リハビリ
いかんともしがたし
140:約束破り
『「うそつき」はすとんと畳に突き立てた包丁のようにしんとした静けさで彼を責めていた。大人になったら結婚するって言ったのに。それにも彼は応えない「幸せにするって言ったのに」泣きながら抱き合う二人の間にそれ以上の会話は生まれなかった。ただ擦り減らすように絡めた掌がカサカサ言うだけだった』
(06/26 20:00)
大学生嫌いを公称するなまえの毎日は、道ゆく二十代前半のカップルに心中で「大学生め、死ぬがいい。苦しんで死ぬがいい」などから始まる呪詛の言葉を吐き散らし、青空に目を焼かれ、川沿いに建つ単身者向けの三畳一間築60年のアパートへと帰宅した後は己の人生の不安や、学歴、経済状況の劣等感、満たされない承認要求に悶え苦しみ、胸をかきむしりながら湿った万年床へ逃げ込んで夜通しおいおいと枕を濡らすだけの平凡な日々だった。
(06/06 13:09)
学校サボってなにしてんやろ。
今日テストやで。古典。
仰向けで天井に放った言葉に返事はなく、独り言みたいに私の声だけが部屋の湿度に溶けて行く。湿気った私たちの体臭が、プール上がりのようにだるい身体にまとわり付いてくる。セックスの後の倦怠感は子供の頃の記憶や感覚を呼び起こさせていつも私に陳腐な喪失感とか罪悪感とかを押し付けてくるのだ。全く大きなお世話だ。
金ちゃん。と昔のあだ名で隣の狸寝入りを呼ぶ。
「うち学校行ってくるわ」
返事はない。
(06/06 12:55)

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