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魔女と呼ばれた少女
2012年/カナダ映画(言語:フランス)/90分

見た!これは大変よいものだ。
なんとなくプレシャスに通ずる物があるような気がします。

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アフリカのコンゴ共和国が舞台の、12歳で拉致され少年兵にされた一人の女の子の物語でした。

戦争モノの説教臭さがなくて淡々としたロードムービーのようなテイスト。紛争地帯の少年兵が主人公なのでもちろん両親を殺させられたり薬でラリったり殺したり殺されそうになったりレイプあったりと悲惨な描写はガッツリ盛り込まれてるんだけど、女の子の幻覚混じりの主観と心象で物語が進んでくのでどこかこう、パンズラビリンスじゃないけどエフェクトのかかってないデル・トロ風味というかそんなフンイキ。
幻覚の亡霊が見えるようになって、いち早く敵兵を察知できるようになった女の子は「魔女」としてゲリラに重用されるのですが、そこで出会ったアルビノの少年兵と二人でゲリラ部隊から逃げ出す。ここからがロードムービーっぽくなってって、わたくしかなり心をワシ掴まれたわけなんですよ。
少年兵の男の子は友達とカンフーごっこしてはしゃいで笑ってるくらい、女の子はそんな男の子からプロポーズされた時に、お父さんから教えられた通りの「結婚するなら、私のために白いオンドリを捕まえてきて」って答えを返すくらいの無邪気極まりない歳なんですよ。そんな二人が不釣り合いなカラシニコフ肩から下げて手繋いで、草が伸び放題の廃線路を歩いていくわけですよ。この…「世界に二人だけ」感よ…!
女の子の見る幻覚世界と、二人のロードムービー部分にかなり心を持って行かれましたので、その後の展開には持ってかれた心臓目の前で木っ端微塵にぶっ飛ばされたようなもんでした。フラグは決して裏切らない。
二人の幸せがバツンとちょん切られるその時もなんていうのか全体的に諦観のようなものが漂ってて、見てて肋の辺がすごくモゴモゴした。痛苦しい。

ひとつ、それどうなのよって思うところがあるとするなら、邦題がなんつーかちょっとアレですよね。小ださい感というか、ド直球の説教臭さというか、原題の「Rebelle」で十分よかったんじゃないのと。
原題だったらまんまゲリラの反乱軍って意味と、さらにそこからも逃げた二人だけの反乱軍って意味でダブルミーニングでアレで…なんか頭悪いんで自分でも何言ってるかよくわかんないんですが、
rebelleでググったらオペラのハバネラの歌詞の
L'amour est un oiseau rebelle (恋は野の鳥)
が出てきて、そうだよ!そういうことだろうがよ!うおぉ!(泣いてる)ってなったんです。
この言いたいことのうまく言えなさ。

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