もう何処にも行かないで。そう謂って泣いてしまった僕の髪を君の手が優しく撫でるだけで、僕は息が止まりそうになるの。


本当を何処かに忘れて来てしまったなら、私が君の本当を探して見付けて来てあげるから。


貴方に降る運命がもしも非道い物だとしても、貴方の全てが失われたとしても、私だけはただ貴方の傍に居ませう。


どれだけ泪を流してみたところで、海底に居る人魚姫の瞳から流れる雫を目に映すことなど不可能であると知ってしまった。


現実に於いて現実を笑う君が、そんなにまで哀しむその数多の運命とやらを、僕は燃やし尽くしてしまおう。


ねえダーリン、私が世界で1番でしょう?私が世界で1番貴方を解って、想って、愛しているのよ。ねえダーリン、その通りでしょう?


誰かが死神だと呼んだから、私達は死神になった。背中の白い羽根を散らしながら魂を迎える私達は、死神になった。


私の人生に於いて最も大きな絶望は、それでも私が底辺ではなく、寧ろ私は頂点近くに存在して居るのだという圧倒的な事実でした。


明るい光を嘲笑う様に、影は伸びて空と大地を覆い隠し、終には何処から何処までが自分なのかさえ判らなく為ってしまった。


僕はどうしようも無く勝者だった。それは最初から最期までどうしようも無く予定調和の一部分で、それ故に僕はどうしようも無く敗者だった。






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