こんな幸せ、夢であってほしくなかった。これが夢だなんて、この幸せが全部嘘であるどころか幻だったなんて、そんな、これ以上のバッドエンドが他にあっただろうか。(君が私に愛を囁く、なんて)


最期だから教えてあげる、君が信じた私の虚構と、私が疑った貴方の真実と、それらが綯い交ぜになった現実とそのすべて。

さよならを言う前に、貴方に精一杯の謝罪とほんの少しの感謝と、そして最高に最低な嘘のお話を上げようと思うの。

被害者であると言いはる貴方の全てを引き裂いて引きずりおろして地獄へ道連れにしてやる

この夜をこえた先に少女の祈りが叶う保証は無いのだから罪も罰も意味を為す筈が無いのだと信じた少年よ、

流れ星に祈る願いなど持ち合わせてはいないのだけれども、祈る為じゃなくって、ただ君と星を見るだけで幸せになれるからって思ってみたんだよ。本当に、ただ君と見たかっただけなのに。

遠くで笑うあなたの顔を見れるだけで幸せ。遠くで笑うあなたの声を聞けるだけで幸せ。遠い遠いところで、幸せそうにしているあなたの話を聞けるだけで、写真でも映像でもあなたの顔を見れるだけで、幸せになれるの。

独りで生きるしかないって泣いてしまった少年を、幼さ故と慰めるのか、若さ故と笑い飛ばすのか、それとも嘆くでしょうか、その現実に気がついてしまった少年のこれからを憂いながら。

飛行機雲の向こうには不思議の国があると言って、ずっとずっと遠くを追いかけて、手を伸ばして、それでも決して羽が生えることなどないし、この背中に翼などないのだ。

僕にとって絶望色に染まっているこの世界を、希望に満ちた世界だと言い張る君の目に映る景色はどんなだろう。残酷であるからこそ美しく映るこの景色を、君の瞳は感じない。




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