社長ー福沢諭吉の言葉に固まっているとバァンッと開けられた扉。
「また、お邪魔するよ」
その声はポートマフィア黒蜥蜴長の広津柳浪。
そしてぞろぞろ入ってくる黒蜥蜴の人達とマシンガンを持った黒服スーツの男達。
(なんでこの人達がここに…ここに!?また人虎ーー中島敦くん狙い…!?)
「そこの驚いてるお嬢さんは、藤宮志那くんで間違いないかな?」
「(な、なんで私の名前を…というか狙いはもしかして、私?いや、そんな訳ない……)」
「実は君に用事があってね。ポートマフィアに来てくれないかい?」
「な、んで私が…私、嫌です」
「そうか…なら仕方が無い力尽くで連れていくしかないな」
と言った瞬間マシンガンが火を噴いた。
ドドドっと銃声が響き渡る。
でもたまどこにも貫通どころか誰にも当たっていなかった。
それも当然だ、打った玉が全て空中で止まっているのだから。
そしてその玉はパラパラと地面に落ちて言った。
驚く黒服たちを気にしないように銀ちゃんが襲ってきた。
その瞬間私は自分の"力"を2度使っていた。
銀ちゃんは壁にめり込み手と足だけが宙ぶらりんになっていた。
銃も剣も聞かないと判断したのだろう。
今度は広津さんが襲ってきた。
彼の異能力ー落椿は触れたものを一瞬で死なすことが出来る。
私はサッと避け、もう一度同じ"力"を使った。
いきなりの重力により地面にめり込む広津さん。
黒服たちが手助けしようにも周りの重力によって近づけれない。
「ぐ、ぅ…」
「私はこれ以上貴方達と争う気も戦う気もありません」
そして私はもう一度"力"を発動し皆を一斉にポートマフィアボスの所へ移動させた。
シーンと静まる探偵社。
そして気づく自分の実態。
「あっ、今のは、えーっ、とですね…!」
と弁護しようとした時大宰さんが発言した。
「社長、見ての通り私が触れていても力は発動していました」
え、となり思わず自分自身を見つめると服の裾を掴んでいた大宰さん。
彼の異能力は人間失格ー全ての異能力を無効化する力だ。
サッと顔が青ざめていくのがわかる。
「え、とあのー、その…!」
「まぁ、とりあえず志那ちゃん、ソファにでも座ってお話しよっか」
そういった太宰さんの笑顔は多分、一生忘れられないだろう。