(生江戸川乱歩やっべぇ…可愛い。凄く可愛い。これで26歳とか信じられない)

「君、ここに用があって来たんでしょ?早く入れば?」

「……えっ、あ、はい、そうですね。お邪魔します…」

暫く呆然と見つめていたが乱歩さんの言う通り武装探偵社の中に入った。
そして案内された接待席。


「あの、今日はどういったご要件でしょうか…」

と谷崎さんが言いながらその横でお茶を出してくれる谷崎妹ナオミちゃん。

「冷めないうちにどうぞですわ」

「あ、ご丁寧にどうも…」

ぺこりと、一礼すると笑ってくれたナオミちゃん。

(生谷崎兄妹キッタアアアアア兄は頼りない感じが好き!!!でも妹のこととなれば顔色が変わる人格も変化するかっこいい。妹のナオミちゃんは天使ですか!!!可愛い!!!……って、生の谷崎兄妹に感心してる場合じゃない)

私は頭をブンブンと振ると話を切り出した。


「えと、私下の喫茶うずまきで働いている藤宮志那と申しまして…実は今日店主がこれを持っていけと武装探偵社に…」

「あ、それは店主が言っていた新作のケーキ…!どうも僕達武装探偵社の皆に味見をしてもらったあとメニューに加えるか迷っていたという品では…!」

「はい、えと…貴方の仰る通りです」

「あ、自己紹介が遅れました、谷崎潤一郎と言います」

と言い丁寧に頭を下げてくれる谷崎さん。
そしてソファの横に立っていたナオミちゃんも自己紹介してくれる。

「谷崎の妹のナオミですわ。志那さん、どうぞよろしくお願いしますわ」

「あ、ご丁寧にお二人共ともどうも…、改めまして藤宮志那です。お好きに呼んでください、谷崎さん、ナオミさん」

どどどっと今にも飛び出そうな心臓を落ち着かせるためにもナオミちゃんが出してくれたお茶を飲む。
そして深呼吸をして例の紙袋を渡す。

「これが新商品候補のケーキです。皆さんでお召し上がってください」


紙袋の中を見ながら喜ぶナオミちゃん。

「わぁ…美味しそう!兄様、早くみなさんをお呼び致しましょう!」

「え、今食べていただかなくても後から感想を貰えれば…」

(ちょっ、まっ、全員集合とか私気が持たないよ???死ぬよ???萌えで)


「店主さんもわざわざ直々に持ってくるということは早く味見して商品化するか否かを決めたいんだと思いますわ。それにケーキですし冷えたら味が落ちて勿体無いですわ!冷たい今のうちに頂かなくては!」

「確かにナオミの言う通りだな。僕、皆さんを呼んできますね。少しお待ちください」

「えっ、あ、いや…!」

私の制止の声虚しく、去っていった谷崎さん。
そしてゾロゾロと出てくる探偵社員の皆さん。


「俺は甘いものあまり好きではないんだがな…。だがあそこの店主にはいつもお世話になっているきちんと食べきちんと感想を言わなくてはな」

(く、くくくく国木田…!国木田独歩さん…!生で見るとかっこよさが倍増するよ…!)

相変わらず手には理想と書かれた手帳を持っている。

「えー?ケーキ?僕も食っべるーっ!甘いものなら何でも大歓迎だからね!」

(乱歩さん再びキタァアアア相変わらず甘いものには目がないんですね可愛いです)

「なんだィ?ケーキィ?なら妾もいただこうとするかねェ。丁度いい紅茶も手に入った所なんでねェ。用意してくるよ」

(生与謝野先生キタァアアアその解体趣味がなければ凄く美人さんです!!スタイル抜群!!!)

「ケーキですか?食べれるものは食べましょう!」

(怪力の賢治くんキタァアアアそばかすが可愛い!!!無邪気な笑顔がたまらん!!!)

「え、ケーキですか?本当に無料で頂いてもよろしいんでしょうか…」

(ファアアア生敦くんキタァアアア可愛い超絶可愛い…首をかしげながら言わないで!頭撫でくりまわしたくなる萌えが爆発する!!!)

「え、なになにケーキ?私も丁度小腹が空いていたんだよ。頂くとするよ」

(おっ、推しの太宰さんキタァアアアファアアア生でみるとイケメン!!!妖艶!!!これで自殺趣味がなければ完璧なのにな…)


「1つは切って社長室に持っていきますわね」

(えっ、まさかの社長もいるフラグー!!!)

ということは探偵社の全員お揃いでは…?私、今日死ぬの?と考えていたら与謝野先生が持ってきてくれた紅茶が皆に運ばれる。

「ほれ、あんたも」

「えっ、私ですか!?私はお茶ありますのでいいですよ!」

「折角ここまで持ってきてくれたんだ。お礼と思って受け取ってくんないかねェ」

「あ、お言葉に甘えて…ありがとうございます。えと、」

「妾は与謝野晶子だよ。確か志那だったけ?これからよろしくねェ」

「はい、与謝野さんよろしくお願いします」

(私全員のこと知らんぷりできたー!!!私のポーカーフェイスは伊達じゃない!!!これで仕事何度怒られてきたか!!!今はそれが役立ってるよ!!!)

ナオミちゃんが切ったケーキが全員分に渡ったのか皆各々と食べだした。

「うーん、このクリームが絶品だねェ。妾の紅茶とも合う。これは商品化していいと思うよ」

「はい!僕もそう思います!」

と顔を蕩けさせながらいう与謝野先生と元気よく答える賢治くん。

「兄様、これは商品化しても売れると思いませんか!?」

「確かにそうだねナオミ。これはすごく美味しい品だ」

と谷崎兄妹。

「うむ、この見た目、味、どれをとっても100点満点…いや、それ以上か…。甘いものが苦手な俺でも食べれるからこのケーキは文句なしだな」

と国木田さん。

「うーん、甘い!美味しい!採用決定!」

と乱歩さん。

「太宰さん、このケーキのクリーム凄いふわふわですし中のスポンジもふわふわで凄く美味しいですね…」

「ふむ、確かにこれは素人が作れる品じゃないねぇ…流石喫茶のうずまきのオーナーといったところかな」

と敦くん太宰さん。

皆さん各々美味しそうにケーキを食べてくれてる。
これは商品化決定ですよ、ってオーナーに言いに行かなきゃな、と思い席を立った時ガチャっと部屋の奥の扉が開いた。

そして出てきた我が社長福沢諭吉。
自然と静かになる部屋内。

「店主に伝えておいてくれ。これは商品化していい商品だと」

「あ…っ、はい」

皆がシーンとする中言われたので緊張と冷汗が止まらない。
返事もなんか緊張しちゃってあれだし。

「ところで、貴君、」

「え、と…私でしょうか?」

「そうだ。武装探偵社に入らないか?」

「……………………はい?」

たっぷり間をあけてでた返事は情けない声だった。