私、男性恐怖症です | ナノ

イケメンは何をやってもイケメン

そして時は残酷に過ぎ週末日曜日。
本当は家に篭っていたいけど安室さんから脅しLINEが来たから外に出て待ち合わせ場所10分前に到着済みだ。

ポアロ喫茶の皆とはLINE交換をしている。
何故なら突然出れなくなった日の連絡、新メニューが増えるなど以外にグループLINEだが使っているのだ。

因みに友達追加として安室さんは除外していたが友達追加登録が来て、私が即座にブロックしようとしたら安室さんに、日曜日、貴方の家まで押しかけますよ等と言われたり日曜日連絡が取れないと困るだろうと何かと言葉巧みに言い組められて私は集合場所にいる。

今日の服装は中に白の七分袖の白のシャツを着ロングの黒い花柄のワンピース、そして足は厚底の黒のウエッジサンダル。
いつも私が外出する服装とあまり変わらない。

今は6月と合って暑いような寒いような。
今日はちょっと冷えるかな?と思い半袖の白シャツから七分袖に変えた。
足元は特に問題ないだろうといつもの厚底黒ウエッジサンダル。

(安室さんまだかなー…来て欲しいけど来て欲しくない)


指定された米花公園の時計台下。
スマホで時間をチェックしながら安室さん待ち、いや本当は心底帰って家にこもって趣味のことをしたいがあの人なら本当に私の家に来そうで怖い。

安室さん来なくてもいいよ…、と思いながら天を仰いだ。




*


彼女に脅しをかけたのが効いたか彼女はきちんと集合場所にいた。

因みに俺は1時間前から車の中でスタンバっていた。
彼女が歩く度に揺れる人より少し大きい胸、いつもと違う少し身長の高さ、ポアロではいつもジーパンだが今日の彼女はロングワンピース。
萌える、最高に萌える。

ぶち犯したいロングワンピースを捲りたいパンツを見たい胸を触りたい。

風に吹かれてパンツが見えたりしないだろうかと視察しながらはや10分。
待ち合わせの時間5分を切った。

俺はそろそろ集合場所に行こうかと天を仰いでいる彼女を見ながら車から降りた。





*



「乃亜さん」

天を仰いでお願いしてたら無慈悲にも来た安室さん。
スマホを見たらきっちり集合場所5分前だった。

「こんにちは、今日の服装とても似合ってますよ」

「は、はは…っ。あり、がとうござ、ぃますぅ…」

語尾が段々と小さくなるのも無理はない。
今日の安室さんは黒のスラックスに黒のマニッシュスシューズ、上は黒のシャツにカーキのパーカ。
服装だけ見れば好みだ、服装だけ。

顔を見たらアウトだ。
何故なら男だから。


しかも完璧に着こなしてるのが凄い、イケメンやっぱりすごい。
1人安室さん(服)を見て感心してたら安室さんが照れたように笑いながら言った。


「そんなに服を凝視されますと、照れますよ」

「うえっ!?い、いっや、そっんな、つもりはなか、ったで、す…」

「立ち話もなんですし、早く僕の車に乗って僕の家に行きませんか?そこのパーキングエリアに止めてあるんです」

「ぅぇ、はぃ、わかりました…」

「じゃ、行きましょうか」

と言われ握られた手。
私の顔は即真っ赤、握られた手には手汗が滲んでるのが自分でもわかる。

「あっむ、あむ、あむっろろ」

「僕の名前は安室透ですよ?どうしたんです乃亜さん」

「いっ、い、やいやいや手、手…!!!」

「手?これがどうしたんです?」

と言い握られてる手を上にあげる。

(ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙いやぁあああやめてぇえええ)

私の内心の叫び声虚しくもっと力を込めて握られた手。
そして掲げ挙げられた手。

羞恥とパニックで死にそうだ。

「折角の日曜日、二人きりなんですし、これって所謂デートみたいなものでしょ?」

安室スマイルを向けられもう愕然とするしかない私。

(このスマイルは怖い…何か裏があるんじゃないかと探ってしまう)

「さ、行きましょうか乃亜さん」

「は、い…安室さん」

そうして私は安室さんの車に乗り安室さんの家へとドナドナされて行ったのだ。