私、男性恐怖症です | ナノ

今日も顔がいい


「おはようございます…」

「ああ、乃亜さんおはようございます」

「(ヒッ!安室さん…!?)……お、おはようございます…」

梓ちゃん出勤まだなのー!?安室さんしかいないよー!!!


「ああ、梓さんなら少し遅れると言ってましたよ」


(えっ、なんでわかるのこの人エスパーなの?怖いよ。安室さん更に怖いよ)


「因みに僕はエスパーでもなんでもないですからね」

(ヒッ心読まれてる…?)

「にしても梓さん遅いですね」

「……そうですね。遅いですね」

私と安室さんの距離今2m。
会話するふりしながらどんどん後ろに行って逃げてる。

私斎藤乃亜は大の男性嫌いなのだ。
だから条件反射でつい避けてしまう。

というかイケメン怖い、安室さんは特に怖い……。
何か他の顔も持ってそうで。

あ、私裏の掃除してきますー、と言い私は安室さんから距離をとった。




「逃げられましたか…」














*


「はぁ、イケメン怖い安室さん怖い男性怖い」

と呟きながら裏の掃除をする。
あれ、傍から見たら私不審者じゃね?と思い口を閉じる。

だがしかし事実なのだ怖いものは怖い避けるものは避ける。

「あ、乃亜おねーさん」

あ、その声は…、

「私の癒し天使のコナンくん!」

学校帰りなのかランドセルを背負ったポアロ2階事務所、毛利探偵事務所に住んでいる私の癒し天使の江戸川コナンくんだった。

「コナンくーん、今日も可愛いね!」

安定のと言った感じで私はコナンくんを抱きしめる。
それにコナンくんは慣れてるのかはいはいって言った感じで頭を撫でてくれる。
なんだこの小学生天使か天使だった。


「コナンくん…今日も安室さん怖かった」

「…なんでそんなに安室のお兄ちゃん怖いの?確かに乃亜おねーちゃんが男性嫌いなのは知ってるけどさ……」

「だってあの人なんか複数の顔持ってそうだもん!あとイケメン怖い!男性怖い!」

「…(すげー割りと当たってるじゃん…。)そんな事ないよ、安室の兄ちゃんはただの探偵さんだよ?」

「そうかもだけどさー…」

カラン、と店の扉の音がなり安室さんが出てくる。

「コッ、コナンくん私中の掃除あるからこれで失礼するね!ばいばい!」

バタン、と裏の扉を開け入り深呼吸をする。

(何これ心臓に悪すぎる…)

私は中の掃除をしだした。








*



「安室さん、また乃亜おねーちゃんに逃げられちゃったね」

「コナンくんには抱きついてたよね…?あれはなんでかな?」

「安室さん、乃亜さんに避けられるからって僕に当たらないでよ。乃亜さんが僕のこと好きなの知ってるでしょ?」

「知っていますがやっぱり好きな人が男性に抱きついているというのは不愉快なんですよ」

「(俺子供だぞー)安室さん、そんなに心狭かったら乃亜おねーちゃんに嫌われちゃうよ?」

「大丈夫、乃亜さんなら受け入れてくれると思うから」

「(…どっから湧いてくるんだその自信……)あ、そうなんだ。僕宿題があるから帰るね」

「コナンくん」

「何?安室さん」

「僕から乃亜さんを取ったら分かってるよね?」

「(嫌だから俺子供だっつーの。どんだけ嫉妬深いんだこの人…)僕子供だからよくわかんなーい。じゃあね!」

「(逃げやがったなあのマセガキ…)でも、乃亜さんの事は譲りませんからね」


その頃店内の乃亜。

「はっくしゅん、風邪かな…?」