私、男性恐怖症です | ナノ

急展開にも程がある

さぁ、今日も一日仕事だ!と気合を入れ喫茶ポアロに向かう。

カラン、と ベル特有の音をさせながら扉を開け中に入る。

「おはようございます」

「乃亜、おはよ!」

「乃亜さんおはようございます」

梓ちゃんにオーナー。

ーーーーそして、

「おはようございます、乃亜さん」

「お…おはようございます、安室さん」

きちんと向き合って安室さんと挨拶をする。
初めて、きちんと挨拶したかもなんて思ったり。

それを見た梓ちゃんが驚愕の声を上げながらこちらに詰め寄ってくる。


「斎藤どうしたの!?いつもなら2m以上距離を開けた上に挨拶も小さい声なのに!顔すら見てないのに!」

「いつまでも安室さん避けてたら仕事に支障とかでるし…ほら、ね」

「でも斎藤あの件の傷まだ癒えてないんじゃ…」

「梓ちゃん、その話は無しだよ。さ、開店準備しよ!今日は忙しいかもだしさ!」

「……。そうね、開店準備しましょうか!」

「うん!」



そして各々掃除をしたりコーヒー準備、料理準備などをして回転の時間を迎えた。





「いらっしゃいませー!」

新規の客、既存の客そんな人がバラバラと来たり来なかったりで中々繁盛をして忙しくあずさちゃんと交代を休憩して、からん、と音が鳴ったのでそちらに目を向けるとその中で今日は珍しいと言うより久々な3人組が来た。


「小五郎さん、蘭ちゃん、コナンくんいらっしゃい!3人でなんて珍しいねー!」

「乃亜ちゃん今日も可愛いな〜。いや、もう夕方だろ?だから晩飯をと思って来たんだよ」


小五郎さんの言葉に外を見ると確かに日は傾き夜を迎えていた。

(忙しくて全然気にしたこと無かったや…)


「今日中々忙しかったので気づかなかったです。ささ、いつもの席空いてるのでこちらにどうぞ」

中のお客様もまばらな為いつもの席が空いていたのでそこに案内する。

「ありがとうございます、乃亜さん」

蘭ちゃんが申し訳なさそうにぺこりと頭を下げながらお礼を言ってくれる。

「いいのいいのー!ちょうど今暇だし!メニューはどうする?」

私の言葉に3人はうーん、とメニュー表を見ながら暫くした後にいつもので、と言ったので私はそれを安室さんに伝えに行く。
オーナーは休憩中だ。


料理が出来上がる暫くの間中にいたお客様は帰っていき小五郎さん達3人だけになった。

「あれ…みなさん帰っちゃったね」

「そうだね。3人だけだから特別みたいだねー」

できた料理を運びながらコナンくんが話しかけてきたので答える。


「はい、お待ちどうさま!ごゆっくりどうぞ〜」

そう言って私はホールに戻る。

「安室さん、お客様小五郎さん達以外全員帰っちゃいましたねー」

「そうですね。まぁもうちょっとしたら閉店時間ですしね」

「確かに」

そんな他愛話を交えながら私は私の仕事、安室さんは安室さんの仕事をする。

前までなら考えれなかった光景だ
小五郎さん立ちのところにべったりくっついていただろう。
そう考えると私も成長したのかな?と考える。


「乃亜さん、今日同じ閉店上がりじゃないですか。その後少しお時間いいですか?」

「?いいですよー」

なんの用だろ、と考えながら食器を洗う。

「今日も美味かったぜ、乃亜ちゃん、安室!」

「ありがとうございます小五郎さん」

「ありがとうございます!毛利先生!」

2人、笑顔で答える。
お会計を済まし3人を見送る。

ちょうど時計を見るともう閉店時間だった。


「安室さん、乃亜さん。もう店閉めちゃっていいよ」

休憩中のマスターが休憩室から出てきて言う。

了解です、ど2人返事をして私は店の前のOP札をCLOSEに。

そして戸締りや最終的な後片付けをし、終わったため更衣室に入り着替える。

更衣室で梓ちゃんと今日も忙しかったねー、と他愛ない話をしながら着替える。

「じゃ、乃亜お疲れ様ー!」

「梓ちゃんもね!」

お互い店の前で手を振りながら別れ、私は安室さんとの約束があるため中から安室さんが出てくるのを待つ。

少ししたら着替えた安室さんが出てきた。

「すいません、待たせましまか?」

申し訳なさそうに聞いてくる安室さんにそんなことないですよ、と答える。

そして、暫しの沈黙。

そしたら安室さんが片膝を折って私の左手の甲にキスをした。

突然のことに頭がパニックになりあ、え、う、など意味不明なとこを言う。


「乃亜さん、結婚を前提に付き合ってくれませんか…?」

そして突然のプロポーズ。
目の前には真剣な顔をした安室さん、そして私はと言うと、


「あ、あああ、男性怖いですー!!!」

と言い走り去って行った。
その声は米花中にに響き、その後猛烈なアピールがあるのだがそれは後の話である。







…season2に続く。