女子飲み会
シャロンさんとお酒呑み会を約束して数日。
シャロンさんからLINEが来た。
内容はこうだった。
"バーボンに内緒で2人でお酒飲まない?"
つまりは安室さん抜きでお酒を飲まないかという誘いだった。
それに対し私は即答で答えは決まっており、勿論です!と返事をした。
日付のやり取り、時間のやり取りをLINEでやり取りしながら決まった日付。
今日、シャロンさんと飲み会です。
*
「シャロンさーん!」
私が喫茶ポアロのバイトを終え約束の居酒屋に行くとシャロンさんはもう着いていた。
「すみません、待たせましたか?」
「大丈夫よ、今来たところだから。それより早く入りましょ」
「はい!」
飲み会が楽しみすぎた私はバイト中もにやけが気を抜いたら止まらなくうへへへ、と笑ってると梓ちゃんには、気持ち悪い、と言われ安室さんには、何かいいことでもあるんですか?と聞かれ、シャロンさんと安室さんには内緒にして飲み会計画を立てていた為何もないです、と当たり障りのない答えをしといた。
何か言いかけた安室さんだったがお客様に呼ばれ去っていった。
そのまま安室さんと話すこともなく私は時間通りに上がった。
そしてそのまま徒歩で行ける範囲の居酒屋だったので徒歩で居酒屋に向かった。
*
「それじゃあ、女子会ということでかんぱーい!」
「乾杯」
(美女と2人きりで飲み会…最高!)
テンション最高な私に比べ相変わらず大人の雰囲気とテンションのシャロンさん。
(凄い痺れる!)
1人尊敬しながらカシスオレンジを飲む。
私はビールとかも飲めるけどどっちかと言うと甘くて度数があまり高くないお酒が好きだ。
シャロンさんは赤ワイン。
(グラス持つさまとか完全に合いすぎ…やばい)
見惚れてるとシャロンさんが唐突に凄いことを聞いてきた。
「ところで乃亜、バーボン、安室透の事をどう思ってるの?」
「どう思ってるですか?イケメン怖い近寄らないでバイト仲間です」
「好きとかそういう感情とかはないの?」
「すすすす…好き!?!」
(私が安室さんを好き!?それはない。逆に怖い対象だ)
「シャロンさん、それはないです。怖い対象です。好きなんて感情全くありませんね」
と言い切りカシスオレンジを一気に飲む。
だがシャロンさんは粘って聞いてきた。
「本当に?」
「はい」
「好きとかの感情はないの?」
「全く」
「あら、結構きっぱり言い切るのね」
「はい。だって美形ですしモテるし男の人怖いですし」
「貴方、彼氏ならイケメンがいいとか思わないの?」
「いえ、性格重視です」
シャロンさんの一問にすぐ一答していく。
一問一答だ。
(シャロンさん…もしかして安室さんが好きとか?え、でもそれは前否定してたしでもやっぱり…?)
そう考えると何故か胸の辺りがチクッとしたが無視して私はシャロンさんに話しかけた。
「シャロンさん、やっぱり安室さん好きなんじゃ…?」
「前も言ったけどそれはないわ。それに私好きな人いるもの」
「え、シャロンさんの好きな人!?誰です!?」
「あだ名はシルバーブレットとエンジェルなんだけどね、二人ともとても、とても命に変え難い宝物なの」
「そんなに思われてるなんてその2人は幸せ者ですね〜」
と言いカシスオレンジをぐびっと飲み店員さんにまた同じのをお代わりする。
「そうだといいわね…」
何故か悲しむような表情をしたシャロンさんに思わず私はこう言っていた。
「絶対に幸せです!私だったら幸せすぎて夜も眠れませんよ!?だから自信を持ってください!」
「乃亜…ありがとう。何か変に酔ってて変な事口走ったりしたのかもしれないわね」
「シャロンさん酔うとか嘘でしょ〜」
からかいながら女子会は夜中まで更けていった。