今日は雲行きが怪しい。
雪が降れば嬉しいが今はちょっと止めて欲しい。
なんせ自分は今走って居るから。
車は任務に行く際送って貰ったためない。
タクシーも今夜は無理だ。

だって今夜は聖夜だから。
大事な女主名前との約束があるから俺は今急いでるんだ…。


「はぁはぁ…」

やっと約束の場所に着いた。
一刻も早く女主名前を抱きしめたい。
だけどドアの前で深呼吸。
冬にそぐあない一滴の汗が額から頬へ流れる。
落ち着いた、自分でもそう核心した時にふと聞こえるはずもない声がドアの向こうから聞こえた。


「今の、獄寺の声…?」


一瞬で女主名前にかける言葉とかシチュエーションとか色々考えていたものが弾け飛んだ。
気が付いたら俺はドアを勢いよく開いていた。
女主名前がこちらを見ている。


「あ、お帰りなさい」


いつものように少し微笑みながら言われたので整理できなくなった。
まぁ元々あまり容量がないんだけどな。


「た、ただいま、な…」


なんとか返事を絞りだしたのち状況把握するために首を回す。

女主名前の後ろ奥にツナと笹川がいた。
距離にして約5メートルだろうか、そこにハルとクロームがグラスを片手にこちらを見ていた。
丸いテーブルが3つ程並んでいる中央にランボとイーピンとフゥ太。
ランボが情けない顔をしてるので何かあったのだろう。
あ、俺がドアを開けた音かな?
ここまで見てわかったのが、女主名前と二人のクリスマスの予定が崩れていたと言うことだ。
それが理解できた俺は言葉に表せられない感情にしゃがみこんでしまった。
すると頭上からいつも聞き慣れた声が聞こえてきた。


「どうした野球馬鹿」


顔を上げると眉間にシワを寄せた獄寺が居た。
お前の声が聞こえて嫉妬したなんて言えないし、みんなが居て女主名前とのクリスマスがなくなったなんてことも絶対言えないからなんでもねーよっと返し立ち上がる。


「お疲れ様、会いたかった」


その言葉に振り向けば大好きな女主名前が俺を見上げててうれしくなって抱きしめた。
周りがわーわーなんか言ってるけど気にしない。
恥ずかしそうに頬を赤く染めた女主名前がゆっくりと俺の背中に手を回す。
その仕草が愛しく感じる俺はかなり重症だなのかな?
嫉妬させた罰って耳元で囁いてえっ?って顔をしてる女主名前をよそに唇にキスを落とした。

たっぷり5秒数えて唇を離す。
ほんとはもっと触れていたかったけど今はおあずけ。
今は仲間たちとのクリスマスを祝おうなんて言いつつちょっとやけくそになって騒いでたなんて誰にも言えねぇーよな。



*最後は騒いだ者勝ちでしょう!*


(女主名前、愛してるぜ!)
(私もよ、武君!)





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