03/03 ( 22:36 )
休日の戯れ
苦し紛れの更新。
ただトキヤ氏と優衣がいちゃいちゃしてるだけで、特に何の面白味もないと思います。
今日は一晩中、彼女と時間を共にできる。
ソファーに身体を委ね、彼女の温もりを大切に大切に抱き締めながら、その喜びを噛み締める。
ひどく心が高揚し、それでいて意識は微睡みの中で浮遊する。
何とも不思議な感覚ではあるが、何より愛おしく感じられるものであった。
特に、こうして触れ合うのは今日が久々だったため、一度触れてしまえば禁断症状の如く、普段抑えていた欲が溢れだしてしまう。
こちらの胸に背中を預け、恥ずかしさからか、心なしかそわそわしている彼女の腰から、緩やかに手を滑らせる。
「うっ」
ぴくん、と腰が揺れた。
振り向いたその表情には、ほのかな戸惑いと疑いが表れている。
「どうかしましたか?」
白々しく笑みを浮かべて問うてみると、彼女は少し悩みつつ。
「……な、何でもないです、けど」
「そうですか」
歯切れ悪く、口ごもらせる。
明らかにすっきりしない様子だが、見て見ぬ振りをすることにした。
もちろん、その方が愉しいからである。
その後、彼女が再び前を向くのを見計らい、今度は制服の黒いスカートから覗く太股に指を滑らせたのも、もちろん。
「ひっ」
再びぴくりと身体が跳ね、今度はしっかりと手を掴んで拒まれてしまった。
振り返る視線も、確かに疑わしいと訴えている。
「もう、トキヤさん!」
「何か?」
「『何か?』じゃないですよ! 気のせいかと思ってたら、やっぱり確信犯じゃないですか!」
「一体、何のことでしょうか」
「とぼけるのはなしですから!」
必死に顔を赤くして、上目遣いで怒ってくる彼女さえ可愛らしく思えてしまう。
それを伝えたら、きっと彼女はもっと機嫌を損ねるのだろうが。
ただし、もう少し彼女を翻弄させてやりたいという悪戯心は芽生える一方で。
「私に触れられるのは嫌ですか?」
「へっ?」
「私は少しでも君に触れていたいと思っています。でも、君の嫌がることはしたくありません」
少し寂しげに演じてみせると、彼女の表情がみるみるうちに焦りに変わっていった。
「い、嫌じゃないです! 全然! むしろその、う、嬉しいです!」
直向きに訴えてくる彼女だが、次第に威勢が弱まっていく。
「ただ、ちょっと恥ずかしくて……あと、なんか擽ったくて……だから、もうちょっと意地悪なしで触れてもらえると嬉しいかな〜なんて、思ったり……して……」
身を竦めて恥じらう彼女を見ると、愛おしさが増して。
くすり、と思わず笑みが込み上げた。
「わかりました、君の要望に応えてさしあげましょう」
「えっ、わっ」
身体を捻ってこちらを見る彼女をそのまま掻き抱いて、優しい手つきで頭を撫でる。
こうすると、彼女は決まって心地良さそうに目を細める。
その姿を見ているだけで、こちらも彼女の表情と同じ、至福だと感じられる。
「これなら、許していただけますか?」
「……はい。幸せです」
頷きながら胸に擦り寄るその額に、ささやかな口づけを与える。
彼女は一瞬、擽ったそうに目を瞑ったが、嬉しそうにはにかんでこちらを見上げた。
嗚呼、今日はとても暖かな日だ。
トキヤは優衣を離すことなく、穏やかな休日を過ごしたのであった。
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