長い黒髪を丁寧に梳きながら、静かに絡んだ視線に引き寄せられ重ねた唇はやはり甘くて。

「…あめェ」

瑠璃は綺麗に微笑んだ。

雪の色にも似た肌を微かに上気させて、ほんのりと紅を帯びたその様はたまらなく艶やか。

鎖骨のあたりに舌を這わせると、華奢な肢体が震えた。

「ひじかた、さん」

縋るように伸びてきた指先を取ってやりながら、自分でも意地が悪いと分かっている笑みを浮かべる。

「教えただろ、二人きりのときは?」

「…トシ…」

羞恥からだろうか、目尻に溜まった涙が音もなく流れ落ちる。

それを拭ってやりながらそっと、耳元へ唇を寄せた。

「良い子だ、瑠璃」

夜が明けるのは、まだ遠い。



目を閉じて、愛しさに

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