「おーきーたーさーん」

無駄に広い屯所内を捜索し始めること十数分、陽当たりの良い縁側にて惰眠を貪る上司を発見した。

綺麗な茶髪が風に揺れて、その様子はまさに絵本の中の王子さま。

…口を閉じて黙っていればの話だけど。

「沖田さん」

「今職務で忙しいんでィ」

「寝ることを職務にしたいなら今すぐ転職することをお勧めします」

「俺ァ見知らぬ女と寝るほど飢えてないんで。アンタとなら寝てもいいけど」

「誰が夜の話をしましたか」

「俺」

「…沖田さん土方副長がお呼びです」

「おいおい華麗にスルーですかィ」

「とっとと起きて下さい、副長ものっそいご立腹ですよ。どこかのドS王子がまた器物損壊で新聞に載ったって」

「一発ヤらせてくれたら起きてもいいですぜィ」

「お前を一発殺ってやろーか」

「アンタがSでいくなら俺はMに徹してみせまさァ!」

「黙りやがらねーとぶん殴りますよ」

「なになに、そーゆー過激なプレイがお好みなの?」

「もしよろしければ救急車呼びましょうか。知り合いに腕のいい外科医がいますから、その耳の穴かっぽじって貰ってください」

「お医者さんごっこ的な?」

「あーもー誰か通訳連れてきてェェェ!」

むしろ私が転職した方がいいんじゃないかと本気で考えた、ある日の午後。



問題上司

よーし、あとでタウンワーク探しに行こう





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