「リヴァイ…!」

「悪かった」

何するの、と抗議しようとした声は、唐突な謝罪の言葉にかき消された。

「…リヴァイ…」

「お前にそんな顔をさせるつもりじゃなかった」

あやすように抱き締められ、張り詰めていた神経が一気に解けていく。

気が付けば、涙腺が盛大に決壊していた。

「…っ…」

「おい、泣くな…」

困ったような優しい声が、静かに頭痛をやわらげていく。

抱き締めてくれる胸に縋って、とりあえず気の済むまで泣いた。

「ルリ」

どうしたらいいのか分からず途方にくれていたリヴァイは、その両手でわたしの頬を挟むように持ち上げた。

涙の跡が残る目尻に、そっと唇が触れる。

「俺も同じだ」

「……?」

「お前が隣にいないと眠れねぇ」

憮然とした表情で、照れたようにそっぽを向く。

何だか互いに意地を張り合っていたのがおかしくなって、思わず笑ってしまった。

「…とりあえず寝るぞ」

「え、でも、仕事は?」

「クソメガネに押し付けてきた」

そう言って、小さな欠伸を一つしたリヴァイはごろりとベッドに横になった。

「早くしろ、眠い」

言葉とは裏腹にそっと手を引かれ、優しい腕の中で目を閉じる。

頭痛はいつの間にか消えていた。


嘘つきと夜明かし



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