「シーザーサラダと・・チーズとトマトソースのハンバーグ。あ、ライスつけてください。お前は?」
「えーっと・・!」
「トマトと海鮮のクリームスパゲティで。」
「(勝手に決められた・・!)」
「あとドリンクバー2つ。」
花火をしよう、そういわれた次の日の夕方6時に藤真先生と地元の公園で会った。
白衣を着ていない先生を見たのは、あのコンビニで会った時以来だ。細身のジーンズにサンダル、上はさらっとシャツを着ているだけなのであの時とあまりか格好は変わっていないのだけれど。
それでもどうしようもなくかっこ良く見えてしまうのは藤真先生のスタイルが良いせいだろうか。うん、きっとそうだと思う。悔しい。
私は私でショーパンに半袖のシャツという格好で来た。ほらだって花火をするだけなんだからおしゃれしても・・って思うしね。気合い入れても・・てね!恥ずかしいんだよとりあえず!
・・・・そ、それで私たちはとりあえずご飯を食べてから花火をする事になって近くのファミレスに入った。禁煙ですか、喫煙ですかと聞かれて藤真先生は迷わず禁煙に方に行った。
「吸わないんですか?」と聞いたら「いつもなら別にどっちでもいいです空いてる方で、って言うけど今日お前いるし。それに元々吸わない。」と返された。心臓が破裂して死ぬかと思った。
じ、自分の事を考えてくれたとか思っちゃったらドキドキするに決まってるじゃんか!だって藤真先生だよ!
・・・・また脱線しかけた。それで席に座ってメニューを開いて「何食べる?」って聞かれて目を通していたら15秒後くらいに「おし、決まった」って言って勝手に呼び出しボタン押されたんだ!まだ決まってなかったよ私!
「なに、もしかしてお前海鮮系ダメ?」
「い、いや、そうじゃないですけど・・。」
私が藤真先生をじっと見ていたせいか問いかけられた。返事をすれば「そっか」と笑って立ち上がる。
「飲み物取りに行こうぜ。」
「あ、はい!ていうか私が藤真先生の分も持ってきますよ!」
「いいって、一緒に行く。」
おら立て!とにっこり笑いながら言われた。何とも言えない恐怖に駆られたので急いで立つ。藤真先生は私の行動に満足したらしく、ドリンクバーの方へ進んでいった。
「お前何飲むの?」
「オレンジジュース。」
「ガキ。」
「な・・!ふ、藤真先生は何飲むんですか!」
「メロンソーダ。」
「レベル変わんないじゃないっすか・・・!」
ふるふると突っ込みを入れると藤真先生はおかしそうに笑った。お互いジュースが入ったコップを持ってテーブルに戻るとサラダが置いてあった。どうやら私たちが飲み物を取りに行っている間に店員さんが置いて行ってくれたみたいだ。
「俺サラダ系だったらシーザーサラダが一番好き。」
そう言いながら藤真先生は小皿にサラダを盛って私にくれた。ありがとうございます、と言って受け取ると先生も自分のお皿に取り分けて食べ始める。
藤真先生とご飯を食べているなんて嘘みたいだ。確かにこの夏休みお昼を一緒に化学準備室で食べていた事はあったけど、今日は化学準備室じゃない。外で、地元で、ファミレスなのだから。
元々少しずつ・・ひ、魅かれていたのだからこんな状況になったら私の心臓がもたない、今日死ぬ、絶対死ぬ。
「おい百面相。」
「・・・は!」
思いにふけていたら突如先生の声が耳に入ったので思いっきり顔を上げた。先生を見ると面白そうに笑ってこっちを見ている。
「そんな色々顔変わってましたか。」
「うん、すげぇ面白かった。」
オブラートに包む、という言葉を知っていますかと問いかけたら、知ってるけど使った事ありません、と返された。さすがだ、使ったことマジで無さそう。
高野先生や花形先生もきっと影で苦労してたんだろうな、と思ったらちょっと笑えた。
「何笑ってんだよ?」
「いーえ、別に。先生と外で会って、知らない一面を見られたから楽しいだけです。」
そう笑って返せば、藤真先生は一瞬だけ目を点にして固まり、その後すぐ音を鳴らしてメロンソーダを飲んでいた。
ファミレスで肩慣らし (しようとしたのに一本取られた気がする・・) (先生なんか言いました?) (なんも!)
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