2021-2022

早めに終わった午前中の会議の片づけを買って出たのがそもそもの間違いだった。
そうだ、そもそもの。なんなら人生の重要な分岐点における決定的な間違いといっても過言ではない。だがしかし、そんなものはずっと後になって、振り返ってみて初めて気が付くのだ。
けれどもし、記憶をそのままにその時に戻れたとして、俺は違う選択肢を取るだろうか。取らないだろう。いや、取れないのだ。あの瞳を前にして俺は選択肢を奪われる。木偶のように、無力に頷くしかできなくなってしまう。

慌ただしく部屋を後にする面々を「おつかれさんです」と見送り、ホワイトボードを部屋の隅に寄せる。机の上に重ねられている資料の端を揃え、床の上に置かれ椅子に立てかけてあった紙袋に入れる。案外重量があって手に提げると底が抜けそうだったので(俺の場合絶対にそうなるに決まっている)、抱えるようにして持ち上げた。するとどうだ、腰のあたりに稲妻のような衝撃が走って俺は中途半端な体勢から動けなくなった。はじめ、それが痛みだとは認識できなかった。が、身体を少しでも動かすと腰がとてつもなく痛む。なんとか椅子の上に紙袋を置き、机に手をつく。
ぎっくり腰だ……。
ぎっくりなんてひょうきんな響きからは想像を絶する痛みに額に汗がにじむ。どうしたらいい。どうするもこうするも動けねぇ……。背筋を冷たい汗がつたう。自分の内側に起こった緊急事態に対処するのに精いっぱいで開いたままのドアからnameがこちらを見ていることに俺は全く気が付いていなかった。
視界に現れるのに先行して冷たく甘い果物のような香りが鼻先を掠めた。nameは無言で俺を見据える。「こ、腰が……」と乾いた声で言うと彼女はその綺麗な眉を顰めた。そして壁にかけてある電話機につかつかと歩み寄り受話器を取ると、「nameです、しばらく席をあけます」と誰かに告げ、今度は自分の携帯電話を取り出す。

「今すぐに会議室に来てほしいんだけど」

とだけ言う。携帯電話を持つ指先の、つやつやと淡く光る形のいい小さな爪が目に入る。痛みのせいで感覚が研ぎ澄まされているのだろうか。ほっそりとした指、薄いのにやわらかく肉のついた手の甲に透ける血管の青色、袖口から覗く細い手首。まるで双眼鏡で覗いているようにクローズアップした映像が鮮明に俺の目に映る。
髪の生え際の汗がこめかみを伝い机に落ちた。忙しない足音が近づいてきたと思えば夏太郎が息せききってやって来た。勢い余って部屋を通り過ぎ、ドア枠に手をかけ急ブレーキをかけるようにして止まる。

「どうしたんすか?もしかして俺に告白ですか?……あっ違いますね。大丈夫ですか、門倉さん」

「どう見ても大丈夫じゃねぇよ」

俺の姿に気づいてあからさまにがっかりした顔の夏太郎にnameは「玄関に車まわしてくるから」と言い残すと、足早に会議室を後にした。

「門倉さんまさか、ぎっくり腰を装ってnameさんにいかがわしいことするつもりなんじゃ……」

「ちげーよ!」

顔をあげると腰が悲鳴を上げは喉を引きつらせた。夏太郎はティッシュで俺の額の汗を雑な手つきで拭くと「行きますよ」とnameの命でなければ絶対にやりたくないのだがという雰囲気を醸し出しつつも俺に肩を貸してくれるのだった。
翌日出社した俺を見たnameは「もう大丈夫ですか?」と言いながら俺の全身に視線を走らせる。まだ腰は痛んだけれど、居住まいを正して「迷惑かけて悪かったな」と頭を下げた。お礼に飯でもどうだ、なんて軽口を叩ける度胸は俺にはない。このまま礼だけを言って去るのが最適解だとわかっている。だからそうした。これでいい。
……はずだった。しかしそれからというもの、nameは神出鬼没に俺の前に現れてはなにかと手伝いを買って出るようになった。自分の仕事も忙しいだろうに、背後からやってきたかと思えばかっさらうように俺の手からコピー用紙の束や古くなった資料ファイルを奪っていった。つむじ風のようなnameの背中を毎度毎度俺はアホ面で見送ることしかできない。何故かと言うと、彼女の行動が理解できないからだった。
その日も会議が終わるや否や、nameは荷物を両手に提げ、「おつかれさまでした」と頭を下げてさっさと部屋を後にした。他の面々もぞろぞろと部屋を出て、残されたのは意味ありげにこっちを見ている夏太郎と俺だけになる。

「……なんだよ」

「いや、なんだよじゃないですよ。門倉さん、nameの気持ち知らないとか言わないですよね」

じっとりとした視線に俺はなんと答えていいのかわからない。確かに、確かにnameが妙に俺の前に現れたりなにかと関わろうとしてくるような気はしている。が、それは多分俺の気のせいなのだと思うように努めていた。だってそうだろう?なんでnameみたいな、言ってしまえば可愛くて仕事もできる女が俺に好意を寄せるなんていうことがあり得る?いや、ありえないだろう。客観的に見て「そう思わざるを得ない場面」が何度かあったとしても、えっこいつもしかして俺に気があるのか……なんて一ミリでも思えば自分の中にいる小さな俺が「それはねぇだろ勘違い野郎」と酒瓶片手にせせら笑ってくるので、すんでのところで踏みとどまることができたのだ。
知らないと言えば嘘になる。が、ここで夏太郎に「知ってる」と漏らせばやはり「勘違いすんなタヌキ野郎!」と言われかねないので(最近の若者はよくキレるともっぱらの噂である)俺は喉の奥から唸るよう念仏を唱えるような妙な調子で音を出し、口の中で「おつかれさーん」と呟いて机の上のノートパソコンを閉じる。

「門倉さんの素敵なところ.pdf」

夏太郎の発した、門倉さんの素敵なところ、という言葉と、ぴーでぃーえふ、という言葉の関連性があまりにもなさ過ぎてはじめのうち理解ができなかった。ぽかんとしている俺に舌打ちをした夏太郎は「だから、」と語気を強める。しまった、最近の若者をキレさせてしまったかもしれない。注意しようとも思ったが、パワハラだなんだと言いがかりをつけられてはたまったものではないので俺は彼の少々生意気な態度に目を瞑り言葉の続きを大人しく待った。

「俺には一ミリも興味がない門倉さんの素敵なところをPDFファイルにして送られるこっちの身にもなってほしいんですよ」

「いや、あの、話がまったく見えないんだが……」

「nameさんから送られてくるんです。門倉さんの素敵なところ.pdfという名前のファイルが。責任とってくださいよ。」

腕を組んで仁王立ちしている夏太郎は「いやでもそうしたらnameさんが門倉さんのものになるってことだから……それはそれで釈然としないな」などとぶつぶつ言っていたが廊下に土方さんの姿が見えるや否や目を輝かせて会議室から去っていくのだった。
つまり、それは、やはり。こめかみに変な汗をかいている自分の顔に、もうひとりの俺が酒臭い息を吐きかける。

――「同じ轍を踏む、ってか。はは」

乾いた笑い声が頭の中に響く。
これまで大切に育んできた「それ」は美しく尊いものであったはずなのに、日々の中で摩耗し擦りきれ、いつしかぼろ雑巾のようになっていた。婚姻期間の終盤、彼女は俺から不自然に目を背けるのをやめ、代わりに薄汚いまさにぼろ雑巾でも見るかのような目で俺を眺めていた。あんなにも熱を帯びていた目はやがて冷たく澄んで、俺を刺す氷の刃と化した。
仕事に追われ、それでも自分なりに精いっぱい努力してきたつもりだった。彼女に言わせれば「努力が足りない」ということらしかったのだが、俺にはもうそれ以上努力のしようはなかった。「仕方ないのよ」と言った彼女に、俺は「すまん」と頭を下げることしかできなかった。なにが悪かったのかもわからないまま。
だから、あの時から何ひとつとして変わっていない俺に対してnameがどれだけ恋心(果たして本当にそれは恋なのだろうか)を抱いていたとしても、きっと、共に生きる時間が増えれば増えるほど、”彼女”と同じような道を歩きだすに決まっている。そんなのは、まったく時間の無駄ではないか。限りある時間を俺にかまけることなどに使わずに、もっと有意義なことに使った方がいい。たとえば年齢に見合った男との恋愛なんかに。
そもそも、俺はnameのことを……。いや、ない。好意は抱けどそれは断じて恋愛感情ではない。それだけは断言できる。

「責任って、なんだよ……」

言いたい放題言いやがって。舌打ちしたいのはこっちだっての。ノートパソコンを脇に抱え、俺は思考の電源を落とすようにして会議室の電気を消した。


「あー、門倉はなんか、ほっとけない感じがするもんなぁ」

馴染みの居酒屋の店主が皿を拭きながら納得いったというように肯いた。

「こんなおっさんほっといてくれって話だよ」

俺はカウンターに突っ伏す。どうにも飲みたい気分で自然とこの店に足が向いていた。社内の人間に相談などできるはずもないので店主に事のあらましをかいつまんで説明した。晩飯のついでに冷酒を一杯だけ引っ掛けるつもりが、それでは足りずに3杯も飲んでしまった。飲みたくて飲んでいるわけではない酒は酔いがまわるのがいつもよりも早い。

「ほっとけったって、それができないからその子は、なんだっけ?”門倉さんの好きなところ.pdf”だっけかをわざわざ作って部下の男に送りつけたりしてんだろ?」

おかしさをこらえきれないらしく噴き出しながら言うので「ちげーよ。”門倉さんの素敵なところ.pdf”だよ」としなくてもいい訂正をしてしまう。「どっちでも同じだろ」ゲラゲラと腹を抱えて笑いだす店主。

「やー……どーしたらいいんだよ俺」

「モテるおっさんは辛いねぇ」

額に巻いた鉢巻を解いて目じりの涙を拭いつつ、まだ口の端に笑いを残している店主を俺は睨むことしかできなかった。

「なんかいい考えねーのかよ」

これでも食えよとサービスで出されたスルメを齧る俺に、店主は「だったら」と口を開く。

「連れて来いよ、うちに」

「絶対にやだね!」

なにを言われるか、もしくは、なにを吹き込まれるかわかったもんじゃない。味のなくなったスルメをのみ込んで俺は席を立つ。釣りはいらねー、と千円札三枚をカウンターに置いて戸を開ける俺の背中に、暖簾を外しながら「捨てる神あれば拾う神あり、かもしんねぇぞ」と店主は呟いた。

春が終わり、建物の裏手にある喫煙所の居心地がよくなる季節がやってきた。ジャケットを脱いでワイシャツの腕を捲った俺は、コーヒーの缶を片手にぼんやりと煙草の煙を吐きだしている。
明日までにあの資料を完成させて、土方さんに渡せば山場は越える。そうしたら少し家の中を片付けた方がいいかもしれない。基本的な家事は毎日していたけれど、残業が続いたため簡単な掃除しかできておらず部屋の隅にはうっすら埃が溜まっていたし、そろそろ夏物のスーツをカバーから出さねば。週末の予定ともいえない予定を頭の中でたてていると、建物の角から人影が伸びてくるのが見えた。誰だろうかと首を伸ばしてみると、この場所には全くの無関係な人間が姿を現したので俺は固まってしまう。

「門倉さん、ちょっといいですか?」

疑問形の形をとっているが口調と表情は有無を言わさないそれだった。nameの視線が一瞬手元の煙草に落とされ、あからさまに煙たそうな顔をしたので俺は「あ、すまん」とここが喫煙所であるにも関わらず自分が悪いことをしているような気分になって急いで煙草の火を消した。

「どうした?なんかあったか?」

「好きです」

間髪入れずに返された言葉に俺は二の句が継げなかった。髪をひとつに結んだnameは、パンツスーツに細いヒールの踵の高い靴をはいていて、そのほっそりとした脚を心持ち開いて地面に踏ん張るように立っていた。

「……多分、それは違う、と思うんだよ」

案外自分が冷静なことに内心驚きつつ、俺は自然と言葉が出てくるに任せる。

「何が違うんですか。説明してください」

強気な目が俺を見上げる。

「お前は俺のことがほっとけないだけなんだよ。俺が不甲斐なさそうに見えるから。恋愛感情とは違う」

「それって証明できますか?」

「……は?」

証明、とは。証明なんてする必要もない。答えなんて見ればわかる。後頭部を掻きながら俺はそれをどう説明すればnameが納得してくれるのか思案する。車が二台通り過ぎていく音が聞こえ、頭上の電線で鳩が鳴いていた。こんなにも長閑な昼下がりに、俺はいったいなにをさせられているのだろう。

「私はできますよ。私が門倉さんを好きなこと。私があなたに抱いているのが恋愛感情だってこと、証明できます」

そう言うとnameはつかつかと俺の前に歩み寄り、携帯電話を取り出し指を滑らせると「どうぞ」とそれを俺に差し出す。

「……、」

断ることもできずに言われるがまま受け取って視線を画面に落とすと、そこには例の「門倉さんの素敵なところ.pdf」のファイルが表示されていた。しかもそのファイルは1から7まであるではないか。

「読んでください。それでも違うって言えますか?」

恐る恐る指先で1番目のファイルをつつく。“1、オフィスの観葉植物の埃を払っていた”から始まって、“30、入社面接の時「がんばれよ」と言ってくれた”でそのファイルは終わっていた。

「……あ、」

「覚えてないですよね、そんなこと。でも私はちゃんと覚えてます。門倉さんははじめから私のことなんか気にも留めてないと思いますけど、私はいつだって門倉さんのことを見てました。私だって自分がなんで門倉さんのこと好きなのか不思議でしょうがないんですよ。でも好きなんです。好きなんだからしょうがないじゃないですか。ていうか、結婚したことあるなら私に教えてくださいよ、恋愛感情がなんなのか、結婚したいぐらい好きって、どういうことなのか」

所々突っ込みたい箇所があったような気がするけれど、nameの勢いにたじろいで俺は口を噤む。彼女は俺の手から携帯電話を奪い取ると、「教えてくださいよ」と念を押すように言った。

「知ってるだろ、俺が離婚してるって。ほとんど捨てられるみたいに別れたんだよ。俺はそういう奴なんだよ。悪いことは言わねぇから俺なんかやめとけ。……自惚れてるわけじゃないぞ、言っとくけど」

そう言うと俺は肩を竦めた。ひいき目に見ても容姿の整った若いnameと、くたびれて擦りきれたおっさんの俺とでは釣り合うもなにもない。不毛すぎる。

「自惚れてよ……」

さっきまでの威勢が急に鳴りを潜め、噛み締めるような声でnameは言った。

「いや、無理だろ」

そんなこと、できるわけがない。もう無理なの、と言われて見限られた男がどうやって自惚れればいいというのだ。

「認めてくれるまで私、朝礼の時にこのファイル声に出して読み続けますよ」

「やめろって!」

「だったら……好きでいてもいいですか?」

一瞬声に詰まったnameの眉が下がる。心臓がうるさかった。不整脈か心筋梗塞かもしれない。いっそぶっ倒れて階段の角で頭をぶって気でも失ってしまいたかった。そうして、部分的に記憶が無くなったとかなんとか言って……。
抜けるように青い空を見上げる。電線から鳩が飛び立つ。乾いた羽根の音が聞こえる。

「今日、仕事終わったら飲みに行くか」

自分で言ったはずの声が遅れて聞こえてきた。自分の言葉に俺が驚くのと同時に、目をきらめかせたnameが「はいっ!」と大きく頷く。やっぱり今のはナシと訂正できる雰囲気でもなく、「じゃあ定時で上がれるように仕事片付けてきます」と髪をなびかせ身をひるがえしたnameの遠ざかっていく背中を俺は見送ることしかできなかった。
頷いた時のnameの笑顔が、あまりにも眩しくて、そして、可愛かったのだ。
あんな表情を見せられて、好きにならないわけがないだろうが。耳が熱くなるのがわかる。尻ポケットをまさぐり、潰れた煙草の箱からおぼつかない手つきで煙草を一本取り出して咥えるけれど、何度やってもライターをうまく擦ることができず、火のついていない煙草を口で上下させ、それにも飽きるとへなへなと地面にしゃがみ込むのだった。
深い藍色に複雑な模様が緋色で描かれているライターに印字された「居酒屋 鹿の角」の電話番号を眺め、胸ポケットから携帯電話を取り出す。

「うぉ……」

画面に表示された”新着メッセージ7件”の文字に触れることができない。呆けたように画面を見ていると、唐突に着信音が鳴り響く。

「門倉さん、送ったファイル、全部見といてくださいね」

いやに機嫌のいいnameの声が聞こえてくる。俺が返事をする前に通話は切れた。

「マジか」

「マジですよ」

背後から聞こえてきた声に俺は飛び上がった。ストローの刺さったコーヒー牛乳の紙パックを片手にした夏太郎が大仰に溜息をついて階段に腰を降ろす。

「おま、お前いつからいたんだよ」

動揺する俺を横目で見て「今きたとこです」と下唇を突きだすようにストローを加える。

「俺、クールなnameさんが好きなんすよ。でも、あの人門倉さんが絡むと人格変わっちゃって。はぁ、腹立つなぁ」

夏太郎がつま先で地面を蹴ってまたしても溜息がつかれたところで、再び携帯が鳴った。

「もしもし門倉か?美味いイカが入ったから今晩来いよ」

「あー……じゃあ席とっといてくれ。……二人分で」

言うが否や電話の向こうが騒がしくなったので俺は慌てて通話を切った。

「あーもーマジかよぉー!」

青空に向かって叫ぶ夏太郎を残して、俺はまだ半分残っている缶コーヒーを灰皿の中に流して缶を捨てるとそそくさとその場を去った。
オフィスに戻る途中土方さんと永倉さんにすれ違う。ぺこりと頭を下げると二人から順に肩と尻を叩かれた。何事かと振り向けば、土方さんは俺に含蓄ある視線を向け「まぁ、頑張れ」と口の端を持ち上げ笑うのだった。

「はい」

腑抜けのように俺は肯いて、エレベーターに乗りこむ二人にもう一度頭を下げた。
もしかしてこれは、このことは、全員の耳に入っているのでは、という疑念はオフィスの扉を開けたのと同時に確信に変わるのであった。
家永さんと額を寄せ合い密やかに笑い合っているnameの横顔をちらりと見た俺は、背後から牛山さんに小突かれてデスクの書類の山に顔面から突っ込む。白く染まる視界に、さっきの電話の「美味いイカ」を思い出しながら。退社の時間を待ちわびている自分に気が付かないふりをしながら。それでも自分の隣で酒を飲むnameの赤く染まった目元を想像せずにはいられないのだった。

【拾い集めた輝くものを残らず頭上に降らせるから】
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