2015

そうして、季節は過ぎて行った。相変わらず佐々さまはわたしの元に訪れた。抱く時もったし、抱かない時もあった。戦終わりに来た時は、大抵抱かれたけれど、そうでない時はただ私を腕の中に収めて、ポツポツと戦だの城の様子だのの話をしてくれるのだった。
銭をいただいているのだから、交わらなければ申し訳ないと初めの内は思っていたけれど、頑なな彼の態度に、ああ、好きにすれば良いと、いつしかそう思えるようになっていた。何故なら、金を出すのは彼なのであり、わたしは単に買われる身なのだから。口を挟む道理など、ないではないか。
戦があると城下の噂を聞けば、わたしは密かに彼の無事を祈った。戦で暫く不在であった後にやってきた彼は、わたしの身体に他の男の痕跡を見つけると酷く切ない顔をした。それはもう、武人とは掛け離れた、情けなく、むしろ此方が自責の念にかられる程に悲しい顔だった。
そんなお顔をなさらないで。そう言ったわたしを逞しい腕で抱き締めると、蚊の鳴くような声で佐々さまは「ああ」と言った。そしてその日、彼はわたしを抱かなかった。ひたすら男の痕に指を這わせたり、眺めたり、頬を寄せたりしていた。
本当は、抱いてもらいたかった。抱いて、佐々さまで上塗りをしてもらいたかった。滅茶苦茶に。わたしの鎖骨に唇をつけている彼の頭を抱えながら思う。わたしも彼も交わる準備は出来ていたけれど、結局、彼はまた来ると言って店を後にした。
そうして次に来た彼は、今迄に無いような荒々しさで私を抱いた。抱くというより、むしろ犯すという言葉の方が似合っているような気すらした。当初はあれ程迄に拙かった彼の性技も、今では堂に入ったものだった。だからわたしはされるが儘に彼の腕の中で悶え、乱れた。
「佐々さま、佐々さま、」と彼の名を呼ぶ度に、佐々さまは切羽詰まったような顔でわたしを穿った。繋がった部分が切ない疼きに襲われる。甘く、悲しい水を零しながらわたしは彼にしがみ付き、そして、達した。砂山のように崩れ落ちるわたしを佐々さまは抱き留める。

「name…っ」

低く呼ばれた自分の名前に、視界は白く飛んで意識が遠のいた。わたしの名を、滅多に呼ぶことの無かった彼が。なんという、なんということであろう。
眦から涙が一筋流れ落ちた。二度果ててもまだ尽きることのなかった彼は、三度目にこの身体を満たした後、倒れ込むようにしてわたしに寄り縋った。熱く汗で湿った身体が上気していた。そっと背中に腕を回す。肩口の傷に唇を寄せた。身体についた傷の中でも一番深くて長いこの傷を、わたしは好ましく思っていた。舌先で肌を辿れば微かな凹凸を感じる。じわりと口の中に広がる塩気。
そして今日も雨であった。いくら日照りの日が続いていても、佐々さまがわたしの元にやってくる時は必ず雨なのだった。肌寒さは、二人寄り添うのに打ってつけであった。人気のない往来を格子越しに眺めながら息をつく。そしてこれ以来、わたしは佐々さま意外の男が自分に痕をつけることを悉く断った。生意気だと言って、打たれることもあったがそんなことは気にならなかった。ただ、あの時佐々さまの見せたうら寂しい表情をまた見ることの方が辛かったから。

「お前は、ここから出たいと思ったことはないのか」

「ここから?」

「……ああ」

ある日、佐々さまはいつものように胡坐の中にわたしを抱いて問いかけた。頬を寄せていた肩から顔を上げ瞬きをする。ここから出るなど。可笑しなことを言うものだ。

「ここから出たとして、行く当てもありませんもの。わたしはこの中でしか、生きられないのです」

純粋で無垢すぎる彼に、微笑みすら零れた。そうして、やはり佐々さまは少しだけ悲しそうな顔をした。どこまでも駆けてゆくことのできる貴方とは違うのです。わたしは、格子の中で己を売ることでしか生きてゆけない。
このお方の混じりっ気のない純真さにあてられて、己の浅ましさがより恥ずべきもののように思えるのであった。黙り込んでしまった彼の顎髭にそっと触れる。きっと、この人はありもしない責任感を感じているのだろう。
佐々さまがわたしに惚れこんでいるのは確かであった。店の主人からは出来るだけ金を巻き上げろと言われていたが、わたしが画策するまでもなく、彼はいい値で自分を買ってくれた。取っておけと、余分な駄賃すらわたしの手に握らせて。

「のう、お前さえよければ……」

帰り際、言い淀みながら佐々さまは口を開いた。彼が言わんとしていることの予想はついた。けれど、わたしは何も言わずに微笑んだ。何時ものように、彼の手を取り、胸に頬を預けて。
佐々さまの手は、少しだけ震えていた。それを言うのにどれだけの勇気を要しただろう。しかもあの彼が、だ。小さくなる背中を見つめながら、酷く胸が痛んだ。
客に恋をするなどあり得ないと、そう思っていた。幸せになど、なれる筈のないこの身。擦り切れてゆく日々の中で、もはや彼に触れる時だけが唯一の救いであった。否定はしない。
けれど願いが叶ったとしてどうなろうか。身寄りの無い傾城屋の卑しい女が万が一にも彼の屋敷に入ったとして、行く末など火を見るよりも明らかではないか。誹られ、蔑まれ、虐げられて、そして。
結局、行く当てなど何処にもないのだ。こうして密かに心を寄せる相手が出来ただけで十分ではないか。そう思わねば、心に入った亀裂がどんどん大きくなっていくような気がして。
佐々さま。誰に言うでもなしに呟く。今日の雨は霧雨であった。雨粒とも霞ともつかない霧が一帯を包んでいた。行く当ての無い声は、暫く宙に浮かびそして、ゆっくりと輪郭を失った。
それから暫く、戦の噂も聞かなかったというのに佐々さまは姿を現さなかった。その間に何人の男に抱かれただろう。誰に抱かれている時でも、わたしは何時だって佐々さまを想っていた。瞼を閉じれば直ぐ其処に彼が居る。そう思えば身体を開くことは然程苦痛ではなくなった。
以前はこの生業を苦痛だと感じることなど無かったと言うのに。身体ひとつで男を喜ばせ、虜にし、金を出させることが寧ろ楽しみであったのだ。それなのに、今では。
鏡台に向かい唇に紅を引く。京で人気の色らしい、と佐々さまが贈ってくれたものだった。紅に伸ばしていた小指を引っ込め、両手でそっと持ち上げる。蛤の貝殻に籠められた、紅と橙と桃色を混ぜ合わせたような、優しい色。これを買う彼の姿を想像して、つい笑みが零れた。気恥ずかしそうに背中を丸め、顰めっ面をして店主に頼んだのだろうか。そうして、受け取ると急いで懐に入れて、猫背気味にそそくさとその場から立ち去ったのだろうか。
愛い、本当に、愛いお方。つっけんどんにわたしに向かって包みを差し出した佐々さま。指先で紐を解いて現れた貝殻を見たわたしを、横目で見ていた佐々さま。「気に入るかは、知らんが」と言った口元が、少しだけ緩んでいた佐々さま。どうしようもない。わたしは胸に貝殻を抱いて身体を折った。ただひたすらに、彼に会いたいと思った。陽気な晴れの日が、続いていた。
翌日、打って変わって降り注ぐ篠突く雨に城下は人の気配もなく静まり返っていた。雨宿りをしに来た野良猫を抱きかかえながら、わたしは微かな予感に胸を高鳴らせていた。ばつばつと音を立てて雨は地面を打ち、水溜りには幾重も雨粒が輪を描いている。時折遠くの方で雷鳴すら轟いていた。目を閉じて腕の中の温もりに心を寄せる。お前のように自由であれば、と有りもしない想像をして気を紛らわせながら。
そうして、やはり、聞こえてくる足音。広い歩幅を少し蟹股にして引き摺り気味に歩くあの人の足音は、見ずとも彼が来たことを知らせてくれる。

「お久しぶりにございます、」

笑みを浮かべて(それは商いの笑みではなく、心からの笑みであった)言ったわたしを見下ろす佐々さまは、肩で息をしていていつもと何やら様子が違うようだった。どうされたのです。と言いかけたわたしの肩を抱くと、ずんずんと店の奥に入って行った。

「幾らじゃ」

何事かと裏から出て来た主人にむかって、佐々さまは言い放った。

「何がでございましょうか」

「こやつを身請けするには幾らかかる」

その言葉にわたしは彼を仰ぎ見た。そして主人は一瞬目を丸くし人懐っこそうな笑みを浮かべて、猫撫で声で佐々さまに耳打ちをした。漏れ聞こえて来た値段にわたしは目を見開く。考えられないような金額であった。

「佐々さま、なりませぬ!わたしなぞにそのような大金を使うなど……」

腕を掴んで揺するも、意味は無かった。ひたすらに胸を叩く心の臓が煩く、息が浅かった。佐々さまはわたしが止めるのも聞かずに、手に握った巾着袋を主人の前に突き出した。中を確認する迄もなくずっしりと重たく膨らんだそれをひったくるようにして取り、紐を解いた主人の下卑た顔を見て、わたしは恥ずかしさのあまり顔を伏せる。
こんなことになってしまうだなんて。どうしたら。まさか彼が本当にわたしを。違う、心の中では一縷の望みを見ていたのだ。それを希望として、いたのだ。けれど、けれど。

「釣りはいらん」

そう言って佐々さまはわたしを抱いた儘踵を返す。後ろから主人の声が聞こえて来たが、なんと言っているのかはわからなかった。降りしきる雨に打たれながら、わたしは馬上にあげられる。佐々さまは何も言わなかった。雨風を貫くようにして馬は駆けた。顔に当たる雨は最早心地良いとすら感じた。

「佐々さま」

「……」

「佐々さまってば」

「…なんじゃ」

「本当に、あなたというお方はどうしようも有りませんね」

雨音に負けないように声を張りあげれば、佐々さまはわたしの腰に回した腕に力を込めて、「百も承知じゃ」と呟いた。頭上から、額から流れ落ちた雨滴は睫毛に弾かれ、景色は星屑のように輝いている。流星の如く降り注ぐ雨に溺れながら、わたしは夢とも現とも付かぬ心地で馬に揺られるのだった。
永遠に、この時間が続けば良いのに。朧げな目的地に向かい、胸を高鳴らせながら何処迄も二人で駆けてゆけたなら良いのに、と。
けれど馬はやがて彼の屋敷に到着し、わたしは佐々さまに横抱きにされて邸内へと運ばれた。周囲のどよめきと諫言を無視して、彼は奥の院へとわたしを連れてゆく。わたし達が歩いた後はまるで川のように雨が床板を濡らしていた。何か大変な間違いを犯してしまったような気がして、わたしは心細さのあまり佐々さまの着物をぎゅっと掴んだ。
足で襖を蹴り開けると、佐々さまはわたしを畳の上にそっと降ろした。どうすればよいのかわからず、ただ彼を見上げる。初めて出会った時と全く逆であった。寒さと不安に身体の芯がうっすらと寒くなる。しとどに濡れた着物は肌に張り付き、思うように脱げてはくれなかった。もどかしさは熱となり彼を煽った。始めは冷たかった互いの身体は徐々に熱を帯び、肌についた水滴は何時しかあらかた乾いていたのだった。佐々さまはわたしに何度も口づけた。そうして時折肌を撫でる顎髭の冷たさにわたしはハッとし、また甘やかな水中に沈んでいった。恐ろしいぐらいに暖かな腕の中。いっそこのまま死んでしまいたいとさえ思った。屋敷についたのは昼前だったというにもかかわらず、全てが終わったころには既に辺りは薄暗くなっていた。一日を通して夕方のような薄暗さであったから正確な時刻はわからなかったけれど、恐らくはもう未の刻を大分回ったあたりではないだろうか。
このまま眠りについてしまいたかったがそうはいかない。なにしろここは私の元いた傾城屋とは訳が違うのだ。明らかに疎まれている風でわたしは湯殿へと運ばれ、侍女といえども明らかに自分より身分の高い女たちに身体を流された。用意された真新しい着物に袖を通し、案内された部屋には佐々さまが寛いだ格好で座っていた。立ち尽くしている私に「こっちに」と言うと、彼は侍女たちを下がらせた。

「本当に、よかったのでしょうか」

「いいのじゃ。わしが決めたことなのだ。誰にも文句など言わせぬわ」

「……」

「そのような顔をするな」

name。躊躇いがちに呼ばれた名前に面を上げれば、先ほどまでの堂々としていた彼は何処へやら。見慣れた、自信の無さそうな落ち着かない表情を浮かべた佐々さまがわたしを見ていた。胸の奥が切なくなって、彼に腕を伸ばす。胸に頭を擁くと、佐々さまは私の背中に両腕を回した。
その晩、御簾の降ろされた閨房で終わりのない愛を交し合った。何度果てても彼は力強くわたしを抱き、眠りが訪れれば抗わずに二人して褥に身を横たえた。眠りは短く、深かった。そうして目が覚めればまた抱き合った。どこまでも純粋で、いたいけな愛撫を紡ぐ彼の指先を愛おしく思うのと同時に、かえってそれが不貞の恋のような気がして儘ならなかった。
屋敷にいる間、佐々さまはわたしを傍から離そうとはしなかった。彼に正室はいなかったものの、側室ばかりにうつつを抜かして、などと従者が陰口をたたいているのすら耳にした。実際、彼はわたしを溺愛していた。いつだって彼の腕は優しく、そして心地良い粗暴さでわたしを抱き締めた。昼も夜も関係のない情事に溺れ、彼の一途な愛を一身に受けて、女である喜びをそこに見た。
けれど一度彼が邸を離れればわたしは孤独であった。佐々さまの並々ならぬ寵愛を受ける代わりに、邸の他の人間達からは疎まれていたのだ。覚悟していたし、無理らしからぬことであった。もしわたしがこの邸で働く者だったとしても、彼等と同じように思うであろうから。ろくに読み書きも出来ないわたしは、一人で居る間は日がな一日庭を眺めて過ごしていた。外出は、許されていなかった。
そうして佐々さまが帰れば、周りの者に白い目で見られながら、また雨霰と降る愛情を注がれる日々を送るのだった。

「少し、痩せたな」

「…そうでしょうか」

「ああ、」

そう言って佐々さまはわたしの腰を撫でる。びくりと身体を震わせれば、我慢出来ないというように彼は膝立ちのわたしを抱き竦め、臍の辺りに顔を埋めた。減ってしまった腰回りの肉を、愛しむが如く。
すっかりわたしを抱くのが上手くなった彼と向かい合って繋がる。あんなに恥ずかしがって、わたしが差し向けるまで目も合わせてくれなかった佐々さまは、今ではこちらが気後れするほどの視線を寄越してわたしを焦がす。胸を弄られ、繋がった部分をいじられながら快楽に喘ぐ。
滴る水のように、過去も未来も溶けてしまえば良いと思った。今、この一瞬があればそれで。度重なる交合はわたしに愛される喜びを教えてくれた。
それと同時にそれはわたしを孤独にもした。彼と共にいる時間はこんなにも満たされているというのに、彼のいない一人の時間は全くの無であった。何もない、空虚で、暗い穴の中にひとり放り込まれてしまったかのような。腕を伸ばしても誰にも届かず、見つけてすらもらえない。もがけばもがくほど沈み、遥か上にぽっかりと空いた円い月のような穴からは、生かさず殺さずの慈雨が絶え間無く降り注ぐのだ。
仰け反った身体を支えられ、揺さぶられながら褥に押し倒される。向かい合い、横になり、腹這いにされ、また向かい合った。喉は枯れ、甘い汗が身体の表面を覆っていた。佐々さまはその全てを、丁寧に唇で掬うのだった。かさついた薄い唇の感覚に身悶えし、彼の頭を掻き抱けば、強く痕が残るように肌を吸われた。そして漸く空が白み始めた頃、わたしは意識を手放すようにして眠りの底に落ちてゆく。

暖かな日であった。紅梅が大分咲き始め、ポツポツと綻びだした壇香梅の枝先では鶯が長閑に鳴いていた。濡れ縁に座って早春の庭先を眺めて居ると、背後から躊躇いがちに抱き締められた。彼がこんな腕の回し方をするのは久しぶりのような気がして、何故だろう恥ずかしくなったわたしは目を伏せた。

「良い日じゃな」

「はい……」

「……」

「佐々さま」

「なんじゃ」

「お慕い申しておりますよ」

「…な?!…あ、あぁ」

一瞬目を見開いて慌てた佐々さまは、まるであの時と同じであった。くすくすと笑えば、腕の中にすっぽりと収められる。硬く分厚い胸板から滲む熱が肌に心地良い。ごほん。佐々さまはわざとらしい咳払いをして、わたしの耳の裏の匂いを嗅ぐようにして鼻先を埋めた。首筋に触れる顎髭の先は、指先を掠めた蝶の羽のように擽ったかった。

「また、じきに戦があるらしい」

「そうですか……」

それを聞いて暗澹たる気持ちになった。憂いたとて詮無きこととはわかってはいる。けれどそれとこれとは別問題であった。
佐々さまのいない間、邸の者達の敵意と、筆舌に尽くし難い悪意は実際に言動となってわたしに向けられた。けれどわたしはそれについて彼に注進することはしなかった。したところで何になるのだろう。全てはわたしの業であると、そう思うしかないではないか。
わたしが段々と痩せていくのも、幾度情を交わしても子が成らぬのも、恐らくはその所為であろう。わかってはいた。逃げ出したいと、何度も思った。しかし、わたしはただ、佐々さまの悲しむお顔が見たく無いのだ。あの日、わたしを愛故に連れ出してくれた彼を悲しませるような真似が、いったいどうして出来ようか。
この実直な優しさがあれば。身分不相応な程の愛があれば。土砂降りの雨を思い出す。溺れる程に降った、あの雨を。冷え切った着物の内側から発散されていた、彼の確かな熱を。大丈夫と、わたしは自分に言い聞かせる。
まだ上手くは鳴けない鶯の、拙い囀りに二人顔を見合わせて笑みを零す。なんと穏やかなことであろう。とろとろと訪れる微睡み。時折吹く凪いだ風は、仄かな水仙の甘い香りを運んで頬を撫でた。早い春の陽だまりと、わたしを包む佐々さまの熱に、心の中の蟠りが解けて消えてゆくような気すらした。
name。耳に流れ込む低い声に、知らぬ間にわたしは泣いていた。声も上げずに、肩も震わせず、ただ、涙だけが音もなく頬を伝うのだった。愛おしい。この腕が、声が、全てが。薄く目を開ければ、睫毛の先に乗った涙が陽光を乱反射させ、まるでお天気雨のような世界がそこには広がっていた。

【雨之日綺譚巻之参】
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