日付が変わると同時に、柳生からメールが来た。早寝早起きが基本の柳生にしては頑張った方だと思う。

それともうひとつ、柳生は頑張っていた。





from 柳生
sub 無題

誕生日おめでとうございます。

素晴らしい一年を過ごしてください。

大好きです。





「いつもは絶対言わんくせに……」


思ってはいても口では言えないからメールで……という事なのだろう。

少し照れながら、しかし覚悟を決めてメールを送信する柳生の姿が目に浮かぶ。メールではなく本人の口から聞きたいのが本音だが、まぁ仕方がない。なにしろ相手はあのお堅く誠実で真面目一直線な紳士様なのだから。

柳生にしては上出来。そう思いながら電話をかけようとした手を、仁王はふと止めた。

電話しても恥ずかしがって、きっと柳生は出ない。

僅かに苦笑して、仁王はメール作成画面を開く。そこに礼と愛を綴って送信した。

元より返事など期待していない。しかし今頃メールを見ながら頬を染めている頃だろう。そんな柳生の可愛い姿を想像すると、自然と口元が笑みを作る。

放課後は柳生と約束しているし、さて何をしようか──そんな事を考えながら、仁王は灯りを消して眠りについた。










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