今日は、何だか疲れた。頭と、腕と足と、ついでにお腹も痛い気がする。口の中でシャンディアめ、と悪態をついてみるけど。それはただの強がりになって小さく、大きな痛みに消えた。血になるものが食べたい。ああ、今日は、何だか疲れた。


「随分と派手にやられたじゃあないか」
「見ないでくださいよ、こんな情けない格好」
「ヤハハ!まあそう言うな」


もう、今日は本当に疲れた。はやく寝たいのだけれどもこの方はまったく。


「辛そうだな」
「ええ、まあ」
「お前は死ぬのか」
「まあ、いずれは死ぬでしょう」
「私より先に、か」
「おそらくそうでしょう」
「そうか」
「そうです」


きっと貴方を守って、そして笑って死ぬでしょう。


「寂しい、と感じていただけますか?」
「わからん」
「そうですか」
「ただ、」
「ただ?」
「物足りなくはなるだろう」
「充分です、それで」


貴方の心の片すみに置いてくれなんて言わない。ただ、私が貴方の隣に居たという確かな事実を私だけが覚えていればそれでいい。


「夜が明ける」
「ええ、じきに」
「今日に残されたこの短いかい時間は、お前にくれてやる」
「どうしたんですか、いきなり」
「お前がいつか私より先に死ぬのだと思うと、少しでも多くお前と同じ時間を過ごしたいと思った」
「私にはもったいないくらい、幸せです」
「大袈裟なやつだ」
「だってあなたは神ですから」



2011/06/18.

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