「どうしようかなー」


ジョニーに頼まれて買い出しに出たまではよかったけど、バケツをひっくり返したような雨に降られて動けなくなった。帰ろうと思えば帰れるけど、風邪とかひきたくないしなあ。それに、買ったものも濡れちゃうし。どうしようかなー。
雨で少しかすんだ向こうに、知り合いを見つけた。知り合いっていうか…うん、知り合い。


「名前!ここに居たのか!」
「うん、それよりどーしたの?びしょ濡れになって」
「いや、な」
「ん?」
「別に、たいした理由はねーんだ」
「理由もないのに、どしゃ降りの中ここまで来たの?」
「名前には敵わねーな」


重い荷物を奪って、いつもより眩しく笑うヨサクをちょっと可愛いなって思った。


「ヨサク?」


さっきまで笑ってたのに、今はちょっと困ったような顔をするヨサクを、やっぱり少し可愛いなって思った。


「お前が心配だよ…」
「どうして?」
「そりゃ、女だし、力もねーし…それに、」
「それに?」
「だから、」
「ヨサクが、私を好きだから?」
「やっぱり名前には敵わねーな」


もうしばらく、雨は止まなくてもいいかな。



2011/08/14.

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