「ばいばい」
変態に大きく言った。変態に大きく手を振った。変態に大きく笑ってみせた。もう帰ってはこないであろう変態に。
「寂しくなっちゃうなあ」
すごく騒がしい人だったから。
「静かになっちゃうなあ」
明日から、どうやって過ごそうか。あと数十時間後には明日になっちゃうのに、その数十時間後の明日が想像出来ないなんて。変なの。
「私、あんたに会ってから1回も泣いたことないけどさ…」
今日だけは、泣いちゃいそうだよ。
ほんとはずっとずっとあんたを待っていたいよ。そうじゃなきゃ、私きっと立ってらんないから。あんたを待つことでしか、私はきっと生きていけない。
「名前、元気だすわいな」
「元気だすわいな」
あんたらだって泣きそうじゃないのさ。
「アニキが言ってたわいな」
「ここであったことは絶対に忘れないって言ってたわいな」
頭の悪いあんたがそんなんできるわけないじゃん。無理しないでよ、守れもしないこと言っちゃってさ。できもしないのに、ばっかみたい。
「私だって、」
あんたは忘れなよ、ここであった全部のこと。
大丈夫、私達が全部覚えてるから。あんたは新しいあんたの仲間とどうか、しにそうなくらいに笑って。
(そういえばあんなやつも居たなあ、げんき、かな)
2011/06/07.