「好きだー!」
「は!?俺!?」
「は?」
何でこいつ昼飯片手にこんなとこに居るんだよ。いつもはタイルストンとかとドッグの中で昼飯食べてるくせに何でこいつはこんなとこに居るんだよ。
「なあ、い、今の」
「好きだー!って叫びたくなったから叫んだの、別にパウリーのことじゃないし」
「そ、そうか」
「そ、そうだよ」
ちくしょうそんな顔すんなよ馬鹿。おっさんがそんな顔したって全然可愛くないんだよ、ちょっと斜め下なんか見ちゃってさ。私いじめっ子みたいになってんじゃん。どこの世界にこんなばかでかいおっさんをいじめるこんなか弱い乙女が居るっていうんだ居るわけねえだろ。
「ところでパウリー、こんなとこで何してんの?」
「いや、お前がいつも1人で飯食ってるって聞いたからよ」
「な、何だそれ!私は別に友達が居ない寂しいやつとかじゃないからね、決して違うからね!」
「いや、そうは言ってねえよ」
よっこらしょって、パウリーが私の隣に座った。何となく私も座って、この感じはそう。まさにカップル。
「ななな、何か緊張するな」
「は?意味わかわ、わ、わかんないし」
「ほら、何か俺達…かかか、…ップルみたいじゃねえか」
「え?何?聞こえないよ」
「カップル、」
「え?」
「何度も言わせんな、カップルみたいだなって言ってんだよ!」
「あ…う、うん。私も同じこと、思ってたよ」
「そ、そう、か」
「う、うん」
な、何だこれ。何なんだこれ。
「ところで、さっきの好きだーってやつ…」
「ああ、あれ、ほんとはパウリー好きだー!だよ」
「そ、そうか」
「う、うん。そうだよ」
(初恋でもないのに、何でこんなに暑いんだろう)
2011/05/19.