どうやら私は失恋というものを体験したらしい。いや、今現在体験していると言ったほうが正しいのかもしれない。うん、正しい。それが的確だ。そうに違いない。
向かいのカフェに、私の好きな人と私の友人が居る。どっちも好きだった、友人だった、と言ったほうがいいのかもしれないけれど。いやしかし、これが失恋というものか。初めてしたよ、失恋ってやつ。
確かあの女、友人だったやつ。あの女「名前とジョニーすごくお似合いだよー!ふふふ」とか言ってたような言ってなかったような。やっぱり女の友情ってやつは信じられないものなんだなちくしょうめ。
確かにあの女は可愛らしい。比べて私は可愛らしい部類ではないと自分で分かっている。まあ、別にそういう風になりたいわけじゃないし、今の自分に満足してる。だがしかし、あの女腹立つな。ジョニーが好きなら最初からそう言えばいいのにああやって私が居ないとこでこそこそと…。
「私だって、ちゃんと女だっつうの」
普段まわりから冷たいとか言われてる私だけど、実は相性占いとかして一喜一憂したりしてるんだよ。料理の勉強をしてみたり、メイクをちょっと変えてみたり、スカートにしてみたり。まあ、何1つ効果はなかったけれども。
「ずるい…」
占いでは、相性抜群だったのに。ジョニーと私は相思相愛。あの女…あの子とは一心同体だったのに。もう、何かやだなあ。
「名前!?」
「人違いです」
「何言ってんだよ、馬鹿か」
「人違いです」
「俺が名前のこと間違うわけねえって」
「…人違い、です」
あの子の視線が痛いよ。
(占いで相性抜群だったら結婚出来るんじゃないの?)
2011/05/15.