遭遇した意外な優しさ
着いた頃にはもう第4Qまで進んでいた。
黄色くんやセンパイ達、ガミガミや水色くんに悪いなと思ったけどもう過ぎてしまったのだから仕方ない。
寝坊じゃなくて、煮干し買ってたせいだから。
そう言ったら高尾くんに、
「もっとタチ悪くね?」
と頭を撫でられながら言われた。
そして肝心の試合結果は意外にも、100対98で誠凜の勝利。
海常は予想外の敗北を味わうことになった。
見終わった後は緑色くんと別れ、黄色くんを探してみる事にした。
が、なかなか見つからない。ので誰かに聞こう…
ふと視界の端に写った黄色くんをしばいていた、海常主将さん。
『あの、黄色くんどこにいるか知ってますか?』
「黄色くん…?」
『はい、黄色くんです。』
「…黄瀬のことか」
海常の主将さんは何か気づいたのかピタリと動きを止めた。
「もしかして…オマエが白雪ゆあ?」
『そうです』
何故名前が分かったんだろ…と不思議に思いつつも答えると、海常主将さんは少し考えると、口を開いた。
「なるほどな…あー納得…」
『??』
「わり、こっちの話し。たぶんこっちにいるだろうから連れていってやるよ」
『ありがとうございます、海常主将さん』
クルリと背を向けられ、その後に続こうとすると、小さく海常主将さんが呟いた。
「…笠松、海常キャプテンだ」
『ありがとうございます、笠松センパイ』
「おう…」
意外と親切な海常主将さんもとい、笠松センパイでした。
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