World of Chat Blanc | ナノ



  ダレも縛れない自由気ままな彼女


下で繰り広げられた、黄色くんvsガミガミの対決に唖然となった。

結果は黄色くんの圧勝。
それはなんの問題もない、むしろ当然の事だ。

驚くべきは黄色くんの進化の速さ。
ついこの間見た彼は、どこにも存在しない。
キセキの世代とは恐ろしいものだと、改めて実感させられた。

と下で何か繰り広げられているのを傍観しつつ、頭の整理を行う。
どうせ、黄色くんが水色くんに勧誘でもしてんだろうな。

ジュルっ…と音的に牛乳がなくなったのと同時に、黄色くんがこちらに叫んだ。


「ゆあっち!!ちょっと降りてきて欲しいっス!」

『ヤ』

「即答っ!?……うーん…あ、じゃあ、煮干しあげるんで!!」

「煮干し持ち歩いてんのかよ!?」

『行く』


ガミガミのツッコミは綺麗にスルー。
ガミガミはやっぱガミガミだ。

手すりの上に立つと、わたしはそのまま飛び降りた。
スタッと着地をすれば、センパイ達はこのわたしの行動に慣れたのか気にせず頭を撫でてきた。

一年生たち(水色くん以外)は未だ慣れていない様子で、顔が若干ひきつっている。


「ゆあっちー!!会いたかったっスよー!」


と、そこへ黄色くんが飛びかかってきた。
そのまま、わたしはされるがままに抱き締められ頭を撫で回される。


「あーゆあっちの可愛いさは犯罪級っスよー!癒されるー!」

『…黄色くん久しぶり』

「その呼び名も懐かしいっスねー!…で、ゆあっちが…練習試合、見に来てくれると嬉しいんスけど…」


撫でるのをやめたかと思えば、黄色くんに顔を持ち上げられ視線を合わさせられた。
黄色くんは目を細め、わたしを優しげに見つめていた。

これは…

『気が向いたら…』

「待ってるから」

気分的に行こうかな。



 

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