カッコイイ先輩と屋上での出来事
くあー…っと欠伸をしながら伸びをする。
「きゃー可愛いわー!食べちゃいたいくらい!」
『さすがにそれはちょっと…』
目の前にはバスケ部一年生の何人か。
真横には相田センパイ。
後ろには朝礼のために集まった全校生徒。
ナゼ?
たしか…わたしは屋上でサボるために寝ていた、はず。
そこへ意気揚々と相田センパイがやって来て…見つかり、抱き締められ…今にいたる…見つかったが運の尽き…だったみたいだ。
やっぱ屋上じゃなくて、無理してでも図書館とかに忍び込めば良かった。
「とまあ、ゆあちゃんを愛でるのはこれ位にしてっと…」
と言い、相田センパイはわたしから離れた。
「フッフッフ、待っていたぞ!」
センパイ、今さらカッコつけてもあんまカッコよくないです。
当然、水色くんたちのリアクションも良くない。
「……アホなのか?」
「決闘?」
ガミガミが頭をかきながら口を開いた。
「つーか、忘れてたけど…月曜って…あと五分で朝礼じゃねーか!とっとと受けとれよ!」
ガミガミは入部届けを取り出した。
が、相田センパイはその紙には見向きもしない。
「その前に一つ、言っとくことがあるわ。去年、主将にカントクを頼まれた時、役者したの…全国目指してガチでバスケをやること!もし覚悟がなければ、同好会もあるからそっちへどうぞ!!」
そう言い切った、センパイはなんだかカッコいい…なんて思った。
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