World of Chat Blanc | ナノ



  気まぐれな雨宿り先のスキール音


目の前にザーーっと雨が駆け抜けていく。…これ一つ一つ目で追えば、特訓になる?ぼーっと眺めていたら、どこからかスキール音が聞こえてくる。わたしはその音に導かれるようにして、雨の下を歩き出した。
あー…雨が気持ちいい…たまにはこういうのも良い。

ヒョッコリ顔を覗かせてみると、調度試合開始のジャンプボールが行われていた。
やったー、最初から見れる。わたしは全体が見えるように、一旦外に出てから上のランギャラに上がった。その移動の際にまた雨に濡れたのは言うまでもない。頬に貼り付く髪が気持ち悪いけど、仕方ない。

手すりに飛び乗る。そこに座れば特等席の出来上がり。見下ろす先には、この間目をつけた赤髪くんと、もう一人…

『…水色くん、この学校にいたんだ』

元チームメイトの彼もいた。

これは…面白い結果が期待できるはず。
久しぶりに感じる胸の高まりを抑え、集中しながら観戦に挑むわたしだった。




 

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