脳内いい人ランキング
「おっちゃん、二人空いて…ん?」
暖簾をくぐって店に入ってきたのはなんと緑色くんと高尾くんだった。
ビックリしたけどあんまり気にせずわたしは、誠凛さんと緑色くん達は気まずいのかー、勝者と敗者だもんね、うんうん…と思いながら、お好み焼きを口に頬張る。
丁度冷えていて食べごろだ。
結局なんやかんやで緑色くん達も一緒に食べることになったらしい。
別に、食べるのに夢中で状況が上手く飲み込めてないとか、そんなんじゃないもん。
そして今、わたしはどこにいるのかと言うと…
「ちょっとちょっと!チョーワクワクするわね!?」
「オマエ、これ狙ったろ」
「えー?まっさかー!」
右に高尾くん、左に笠松センパイ、前に相田センパイという席にいる。
少し前にものすごい勢いで高尾くんに抱き上げられたかと思うと、気がついたらこの席だったのだから仕方ない。
「…白雪…ちょっと詰め込み過ぎじゃねーか…?」
「うっわー!!ハムスターみてぇ!かっわいいなー」
「ゆあちゃん!可愛すぎ!写メ写メ!!」
『…っんく…』
「だ、大丈夫か?だから言っただろうが…ほら水飲め」
笠松センパイから水を受け取って一息。
こうしてわたしの中の“いい人ランキング”にて順位を着実に上げていく笠松センパイだった。
「まだ食べれるか?」
『ううん…いらない…です』
「そうか、もし欲しくなったら言えよ?」
『ふぁい』
「口の中、なくなってから喋れ…」
「(隣の二人の会話、兄妹にしか聞こえねぇ!!)」
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