もんじゃ完食任務遂行中
「なんなんスか、このメンツは…つか!明かにこの配置おかしいっスよね!?!?」
「火神君も笠松先輩も、ずるいです」
黄色くんがもんじゃ焼きを食べる小さなヘラ(何て言うんだっけ…?)を握り締めながら、そう叫んだ。
それに続く様にして呟いたのは水色くん。
わたしは何も聞こえないし、何も聞いてない。
わたしの任務はこの小皿に盛られたもんじゃを完食するのみ。
モクモクと冷めたもんじゃを食すわたしを見て、笠松センパイが助け舟を出してくれた。
「しゃーねぇだろ、コイツがこっちに来ちまったんだから。白雪にも自分の意思があんだろ。ほら食わねーとコゲんぞ」
「ど、どもっす」
ガミガミは珍しく大人しいし、黄色くんや水色くんはメンドクサイし、笠松センパイは…いい人だし。
そうこうしている内に、誠凛メンバー中心のテーブルの注文も終わったらしく、改めて乾杯をすることになった。
…モチロン、わたしの右手にはヘラ、左手には小皿、任務を全うするまで離さないって決めたんだもん。
「もぐもぐしてるゆあっち激カワっス!!写メ写メ!」
「黄瀬君、後でボクに今までのゆあさんファイル送ってください」
「え…何枚あると…」
「送ってください」
「…はいっス」
なんてやり取りがあったのを食べる事に夢中になっていたわたしが知る由もない。
「よし、じゃあ…カンパー…」
「すまっせーん」
ガラっと戸を開け、入ってきたのはなんとも見覚えのある顔ぶれだった。
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