ネコの餌付けは冷ましてから
「よっと」
『黄色くん、うまいね』
「こんなん簡単っスよ!」
とか言いながらも、得意げな黄色くん。
くるりとひっくり返されたお好み焼きに、わたしは思わず感嘆の声がもれた。
黄色くんは手先器用だもんなー。
と思いながら、目の前に取り分けられたお好み焼きを睨む。
なぜ睨んでいるのか…答えは簡単で、熱いからだ。
わたしは極度の猫舌でこういう物にとことん弱い。
「ん、お前、そんなにお好み焼き睨んでどうした?」
笠松センパイがそんなわたしに気づき、手を止めた。
「あぁ、ゆあっちはすっごい猫舌なんスよ」
ねーと黄色くんは言い、わたしのお好み焼きを一欠片つまみ、ふうふうしてくれた。
「はい、ふうふうしたからもう大丈夫っスよ。あーん…」
『……ん』
わたしの口元に運ばれたお好み焼きを、素直に口で受け入れる。
うん、熱くない…しかも美味しい…
わたしは満足げにモグモグと必死に口を動かしていると、また口元にお好み焼きが運ばれてきた。
「次も大丈夫っスよー、はい、あーん…」
パクリと口に入れてもらう。
これはふうふうしなくていいし、随分楽できる。
モグモグ口を動かすわたしを何故か写メる黄色くん。まあいいや。
「お前らなー……」
はあっと何故かため息をつく笠松センパイの姿があった。
[
back]