World of Chat Blanc | ナノ



  サクラ吹雪にまぎれる紅白


桜が舞うのを、ただひたすら目で追う。ヒラヒラヒラヒラ…飛び付きたくなる衝動を必死で抑える。
…これも動体視力の訓練になるかなー…
見下ろせば、ザワザワと誠凜高等学校の生徒たちがひしめいていた。人がゴミのようだとまでは言わないけど…ホントすごいな…あんな中にわたしがいたら一溜まりもない。背が小さすぎるのは困ったもんだ。

「ラグビー興味ない!?」
「日本人なら野球でしょー!」
「進めーん!!ラッセル車持って来い!」

などなど…騒がしい…煮干しきれた…ガサゴソと手元の袋の底を探るが何もない。あーあ…これ最後の一袋だった…買いにいかなきゃ…
わたしは最後の煮干しをくわえながら、桜の木の上でゆっくり伸びをした。ふと、目にうつった赤に目を止める。
高身長、赤髪、禍々しいオーラ。バスケ部の所に向かっているところをみると、バスケ部入部希望者…?まあ、どう転んでも面白くなりそう…わたしはゆったりと口角を上げた。



 

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