World of Chat Blanc | ナノ



  びしょ濡れなシロネコの乱入



結果は38対37で一年生チームの勝ち。
これは赤髪くんと彼、水色くんこと黒子テツヤのおかげと言っても過言はない。
これからが楽しみーなんて呑気に考えていたら、急に下から悲鳴が上がった。


「キャアァ!?って…水…?なんで上から…雨漏り…?」

「カントクっ!上っ!」


バッと視線がこっちに向けられた。
あーあ、ばれちゃった。別にばれてまずい事はないけど。


「!?……ゆあさん!」

『ひさしぶりー、水色くん』


重くなった長い髪の毛を払うと、そこから飛び下りた。
途中、悲鳴やら何やら聞こえたけどそんなの無視無視。

着地と同時に水色くんがタオル片手に詰め寄ってきた。
わしゃわしゃとされるがままに拭かれる。


「だ、大丈夫!?け、ケガはっ!?」


先程の流れからして、カントクさんと思われる人が顔真っ青で聞いてきた。


「ないと思います」


しれっと水色くんが何故か答える。
わたしは水色くんの指が気持ちよくなってきて、目を細めた。


「つか黒子の知り合い?」

「彼女は中学時代のクラスメートです。あと帝光バスケ部の臨時練習用選手です」


水色くんがそう言った途端。


「「「はああぁっ!?」」」


体育館に声が響き渡った。
口々に信じられないとセンパイや一年生が言う。


「臨時練習用選手ってナニ!?」

「こんなちっさいのに!?」

「つか小さすぎんだろ!」

「臨時練習用選手ってことは…レギュラーと互角ってことか!?」

「レギュラーってキセキの世代だろ!?」

「マジかよ…信じらんねー…」


取り敢えず、事態が収拾つくまで黙っていよう…



 

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