興味があるのは同じ
5月16日の土曜。
つまり、誠凜バスケ部のインターハイ都予選第一試合の日。
わたしはその大事な試合を見に来ていた。
相手は外国人選手のいる新協学園。
勝つのは分かっているけど、面白い展開になるはず。
あ、水色くん珍しくスターターだ…
試合開始と共にわたしは食い入るように試合を観戦する。
第2Qに差し掛かった頃、ふいに肩を叩かれた。
振り返ると、
「ゆあちゃん、ひさしぶりー!」
「高尾、うるさいのだよ」
高尾くんと緑色くんがいた。
わたしも軽く会釈して答える。
『緑色くんたちも見に来たの?』
「いやー真ちゃんがさ、どーしてもって言うからさー…」
「誰もそんな事は言っていない。ただ外国人留学生がどの程度のものなのか気になっただけなのだよ」
わたしの後ろに座ってきた二人。
「またまた〜、気になったのは誠凜の方じゃねーの?」
「いい加減静かにしろ、ゆあが困っているだろう」
「へいへい、わーったよ」
やっと静かになったと思い試合に集中するが、急に頭を撫でられた。
犯人は緑色くんだ。
「帰り、送ってやる」
「オマエ、送ってやるとか言ってっけど、結局こいでんのオレだぜ?」
不満顔の高尾くんと、頭を撫でて来る緑色くん。
まあ、帰りあのリアカーでだろうが、送ってもらえるのなら楽できる。
注目されること間違いないがそれには目をつむるとしよう。
そう思ったわたしは、二人に向かって微笑んだ。
『ありがと、緑色くん、高尾くん』
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