立場逆転
「おめぇ、何でちいせぇんだ?」
新一は目の前のルオンを見下ろす。
『…仕方ないよ、そういう設定らしいからね。』
ルオンは引き吊った笑顔を浮かべながら新一を見上げる。
「へー…」
『…むっかつく…新一の分際で見下ろさないでくんない?』
どうやら見下ろされるのが相当嫌らしく、かなり不機嫌なルオン。
「ははっ!おめぇこうしてると結構可愛いな!」
『人の話を聞きなよ。耳ないわけ?って!!ちょ、ちょっと!抱き上げないでよ!』
新一はそんなルオンの言葉には耳も貸さず、ルオンを抱き上げると所謂、“高い高い”をし始めた。
「ほーれ。高いたかーい!」
『〜〜っ!!いつか殺してやる!うわっ!離せ!それか下ろせ!』
何とか下りようと手足をばたつかせるルオンだったが、如何せん、体格の差には抗いようがない。
新一はというといつも天音に弄られている、仕返しとでも言うように、小さなルオンで遊び続けている。
「本編もこの設定で行きてぇな……」
『死んでも断るっ!だ、か、ら!下ろせって言ってるのが聞こえないわけ?!』
遠い目をする新一の顔面を蹴ろうとしたが、届くことなく空振ってしまった。
その後も、散々新一に遊ばれ続けたルオンだった。
『いつか覚えてろよ…?』