こんな小さな幸せがずっと続けばいいと思うんだ。
「ん…」
カーテンから射し込む光が眩しくて目が覚めた。
まだ覚醒していない頭で昨日はギルの家にお泊まりしたんだっけ…、なんて考えながらんーっと伸びをする。
キョロキョロと周りを見渡したけど隣で一緒に寝ていたはずのギルの姿はなく、遠くから甘く香ばしい匂いが鼻をくすぶった。
朝ご飯はパンケーキかな?なんて思いながら床に散らばっている下着や服を着込みギルがいるであろうリビングへ足を進めた。
「ギルおはよ…ってあれ?」
リビングへ向かうとそこにはギルの姿はなかった。
キッチンを覗いてみたけどフライパンやお皿が置いてあるだけ。
「どこ行ったんだろ…」
可愛い可愛い恋人を一人残して出掛けるとはなんてヤツだ。
むすーと頬を膨らませてオレはソファーにぼすっとダイブし近くに置いてあったクッションをぎゅーっと抱きしめ顔を埋める。
そしたらほのかにギルの匂いがして何だかすごく安心した。
(やっぱり…好きなんだよな、ギルのこと)
どんなにすれ違ったってケンカしたって、ギルのこと好きなんだ。
なんて改めて思ったりして。
「オズ…?」
目の前からがさっという物音とオレの大好きな声が聞こえてきてクッションから顔をあげるとそこには買い物袋を手に持ったギルがいた。
「…一人にするなよバカギル」
と呟いてぎゅっと抱きついてギルの胸板をとんっと軽く叩いてやった。
「すまない。よく眠っていたからいまのうちにと思って」
「ギルどこ行ってたの?」
「シロップがなかったから市場へ買いに行ってたんだ」
オズはシロップなしじゃパンケーキ食えないだろ?
そう言って優しく頭を撫でて微笑んでくれた。
「ギル…」
どうしよう、すっごく嬉しい。
ギルはオレのこと何でも分かってくれてるんだ。
「ありがと、」
そう言いながらつま先立ちしてギルの頬に軽くキスしてみた。
そしたらギルが顔をこれでもか!というくらい顔を真っ赤にしてオ、オズ…!とオレの名前を呼ぶ。
そんなギルがなんだか可愛くてくすっと笑みを零した。
「したくなったからしちゃった…イヤだった?」
「イヤなわけないだろっ!」
すごく嬉しいぞ!と言ってオレの頬にも優しくキスをおとして。
「あ、あいさつがまだだったな、おはようオズ」
「おはよ、ギル」
おでことおでこをくっつけて笑い合って、そしてゆっくり唇が近付く。
ちゅっとリップ音が響いた。
朝食にパンケーキとホットミルクとくちづけを
(志乃さまに捧げます!)
(遅くなってごめんなさい><)
(2010.6.13)