いや、うん。
そりゃあソウルだってオトコノコだもん。だけど…分かっててもちょっと傷付くものがある。
鞄の中からちょっとはみ出てる雑誌。そう、無造作に入っているそれは所謂エロ本。

意を決して…なんて大それた事じゃないけれど、まあそれなりに(傷付く)覚悟をしてそれを手にとって見る。デカデカと書かれている見出しは"魅惑のGカップ"とか"巨乳特集"とか。

頑張った、頑張ったよ僕。けどそれはどう覚悟を決めたって



深々と僕の心を抉ったのだった。




「ヒビキ、飲み物オレンジジュースでも良…………、……!?」
「………………。」
「っおま、ちょ、それ…!!」
「うわっ!?」

僕がぺらりぺらりとページを捲っていればソウルがペットボトルと氷の入ったグラスを持って入ってきた。ソウルは一度固まってからグラスをテーブルを置いて勢い良くエロ本を僕の手から奪った。

「………」
「…ち、違うからな?これ俺のじゃなくて」
「いや、あの別にね…軽蔑はしないよ?ほらソウルだって…ね、男の子だし」
「だああかああらああ!!これは俺のじゃなくて…っグリーン、さんが無理やり俺の鞄にだな…!」
「…………」
「嘘じゃねえぞ!」
「もしさ、仮に嘘じゃなかったとして……嫌がらせ?」
「は?………あ…っいや、それは俺に言わないでグリーン…さんに言えよ」
「でも、持って帰ってきたのはソウルだよね?…興味はあったって事だよね。」

どうせ僕は胸が無いよ、ストーンとしてるよ。
女として大事な出るとこなんて全然出てませんよ、だ。
ソウルと目を合わせないようにして俯く。言いながら俯いて、目に映る平坦な体に…泣きそうになった。


暫くどちらも喋らずにいたけれど、ソウルが口を開いて沈黙を破った。かと思ったら何かに包まれるような感覚。ソウルが、僕を抱きしめていた。

「…っソウル?」
「聞け、ヒビキ。…あのな、別に俺は巨乳が好きな訳じゃねえよ。つーか、別に外見なんか問題じゃない。」
「………………!」
「誤解させて悪かったな」
「ううん。……僕こそ、勝手に見てごめんね?」
「いや、大丈夫だ。」

本当はポケモンバトルをする為にソウルの家に来たんだけれど、予定変更。今日はこのまま…ソウルにくっついていようかな。

end



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