『ヒビキくんかっわいー!!』
そんな声がヒビキの部屋から聞こえてくる。
今日はヒビキとコガネシティに行く約束だったが時間になってもヒビキが現れなくヒビキの家まで迎えにきた。
おばさまに"ヒビキならコトネちゃんと一緒に部屋にいるわよ"と言われ何故あの女がいるんだ、と思いながら部屋へ向かい冒頭のセリフが部屋から聞こえてきたわけで。
「ヒビキ…?」
きちんとノックをし扉を開けると
「…何着てるんだよヒビキ」
「ソ、ソウル!?」
ピンクのフリフリがたくさんついているワンピースを身に纏っているヒビキとそのヒビキを写真で撮っている女の姿が目に飛び込んできた。
「な、なんでソウルがここに…!?」
「お前が時間になっても待ち合わせ場所に来ないから迎えにきたんだよ」
「あっ…ごめんねソウル…コトネちゃんが急に来て服着せたりするから…」
ヒビキは申し訳なさと恥ずかしさからか顔を真っ赤にしながらスカートの端をぎゅっと掴んで俯いた。(あぁ可愛い)
「可愛いでしょ?私のお古なんだけど捨てるのもったいないからヒビキくんに着せようと思って!」
"サイズぴったりでよかったー"と女は淡々と述べながら写真を撮り続けていく。
「可愛くないよ…」
「何言ってるのヒビキくん!
ヒビキくんちょー可愛いんだから自信持って!」
「そんな自信いらない…」
"さぁ次はこれ着て!"と女は新しい服を取りだしヒビキに迫る。
…お前すごく楽しそうだな。
「もうやだ…ソウル見てないでコトネちゃん止めてよー!」
ヒビキは半泣きで助けを求めてくるがオレ的には女装しているヒビキをずっと見ていたい。(そんなことを言うとヒビキに嫌われてしまうから言わないが)
助けようとヒビキをオレの方に引き寄せようとした時、
「ダメよヒビキくん!着てほしい服まだまだたくさんあるんだから!
ほら、さっさと脱ぐ」
そう言って女はヒビキのスカートを一気に捲し上げた。
その時一瞬見えてしまった。
ヒビキが履いている下着が女物で…
しかも色が、
(いや、見てない)
(オレは断じて見てないぞ!)
ピピピ、ピンク
(…あんた鼻血出てるわよ)
(2010.2.2)