目もとを潤ませ上目遣いしながら抱きついて。
そしてとびっきりの甘い声を出す。

「なぁシルバー、お願いがあるんだけど」

うん、気持ち悪いな俺。
でもコイツは俺にベタ惚れだから、これぐらいしとけば簡単に俺の言うことを聞くんだ。

「なんだゴールド」

そう言いながら俺の髪を撫で額にキスを落とす。
よし、かかった。

「あのさ、」

「あぁ」

「俺の代わりに宿題やって?」

「………」

数秒の沈黙の後わざとらしく、はぁ、とため息をつかれた。

「なんだよ、可愛い可愛いゴールドくんの頼みが聞けねぇのか!」

「何が可愛いだ」

確かに可愛いけど。

なんて言われて額にデコピンされた。(痛ぇぞ、おい)

数学担当のヤナギから出された宿題の提出が今日だということをすっかり忘れて部活に明け暮れていた俺。
宿題の提出が遅れたことはこれまで何度もあったけど今度遅れたら一ヶ月部活禁止!なんて言われてしまったのは数週間前の話。
部活のために学校に来ている俺にとってこれは由々しき事態だ。
そこで学年一頭がいい彼氏のシルバーちゃんに宿題をやってもらおう。そう思いついたわけだ。

「今日中に提出したらセーフなんだよ、頼むシルバー!」

「断る。諦めて一ヶ月部活禁止になれ」

そうしたら毎日一緒に帰れるし。と言って黙々と教科書を鞄にしまい家へと帰る準備を始めるシルバー。
おい、大事な恋人の一大事だぞ?
なのに冷てぇなお前は。

…こうなったら最後の手段だ。

「シルバー」

「だから宿題はやらな、」

「俺の代わりに宿題やってくれたらシルバーのお願い何でも聞くからさ」

そう言えばぴたっとシルバーの手の動きが止まった。

(よし、いける。)

後ろからシルバーに抱きついて最後の一言を囁く。

「エロいお願いでもOKだけど?」

「よし、まかせろ」

筆箱からシャーペンを取り出し宿題を寄こせと言ってくるシルバーにサンキューとお礼を言い宿題のプリントを手渡す。

今日シルバーの家に泊まり確定で次の日動けるかどうかも分からないけど部活のためだ。

それにしてもコイツ、


(ちょろいな)


なんて思いながら宿題のプリントに取り掛かったシルバーの背中を見つめてにやりと口元を緩ませた。





お願いダーリン!




*****

水原あすさまリクエストで「シルゴ 学パロ」です!
お待たせしましたorz
ゴールドくんはバスケ部とかだといいな
軽音部でもいいかもしれない
受け取って頂ければ嬉しいです><
リクエストありがとうございました!


(2010.5.26)


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