「グリーン」

「なんだレッ、」


ぷにっ


「……何するんだレッド」

オレの頬に指を突き刺しているレッドを軽く睨んでやった。


今日は久しぶりにジムを休みにした。
遊ぶためじゃねぇぞ?
ポケモン協会から送られてきた溜まりに溜まっている書類を片付けるためだ。
机に書類とペンを置きよし!っと自分に気合いをいれ書類に取りかかろうとした時だった。


「グリーン」


ガチャッと部屋のドアが開く音とともにオレを呼ぶ聞き覚えがありすぎる声。


「…レッド」


突然やってきたレッドに何時もならデートだといって外に連れ出すがさすがに今日はそんなわけにもいかない。

自ら下山するなんて珍しい…なんて思いながらレッドに書類が終わるまで大人しくしているように命令しオレは書類に取りかかった。


そしてようやく集中できてきた頃。

グリーン、と名前呼ばれ振り向き冒頭に至る。

人が真面目に書類を片付けている時に何で邪魔するんだよお前は。
そう言って説教しようと思ったけど俺の頬に指を突き刺しながら

「…引っ掛かった」

と普段見せない少し嬉しそうな顔をされては怒る気も失せてしまう。
はぁ…と溜息をつきレッドの額にでこぴんを一発。

「…痛い…」

「オレだってそれぐらい痛かったぞ。いきなり何すんだよ」

「……グリーン書類ばっかだから、」


構ってほしくて…


でこぴんをされた場所を押さえながら少し顔を赤くしてぼそっと呟くレッドは可愛すぎると思う。(犯罪級だよこれ)

思わず握っていたペンを放り投げレッドを思いっきり抱きしめた。

「っ…な、にするの…!」

「ほんっとお前って可愛いなー」

そう言ってわしゃわしゃとレッドの頭を撫でてやり軽くキス。
そしてレッドの手を掴み玄関へ足を進める。

「よし、今からデートだ」

「…書類は?」

「そんなの明日やればいいんだよ」

手持ちのピジョットを呼び出しレッドを乗せオレ達はタマムシ方面へ向かった。



そしてオレが一日中書類に追われポケモン協会からお叱りを受けるのはこれから10時間後の話だ。





ご利用は計画的





(2010.5.7)


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