はぁ…と一息つきながらカーテンの隙間から見える外の景色をぼーっと眺めればサッカーやバレーボールをやっているヤツらがいたり雑談しているヤツらもいたりして。
とにかくみんな元気に外で自由気ままに遊んでいる。
そんな中、俺とゴールドはほぼ毎日昼休みは保健室で過ごしていた。
昼休みになれば保険医も昼食をとりに職員室へ戻り保健室は無人空間になる。
つまり二人っきりになるには最適な場所になるということだ。
そこでキスをしたり、たまにカラダを繋げたり。
危ないコトをしているという自覚はもちろんある。
でもいつ誰に見つかるか分からないというこのドキドキ感がまた新たな刺激になっていたりする。
そして今日はようやくゴールドから一週間ぶりにお許しが出てカラダを繋げたわけですが。
そして今ゴールドはベッドの中に潜り込んでいる。
ヤった後は気恥ずかしいのかいつもこうだ。
そんなゴールドの頭を布団越しに撫でながら服の乱れを直していると服の袖をくいっと引っ張られた。
「…どうしたゴールド?」
俺が呼び掛けると潜り込ませていたカラダをごそっと起こし俺を見つめてこう呟いた。
「なぁシルバー、このまま授業サボろうぜ」
(…またか)
何時ものようにゴールドの口にした言葉は"サボろう"。
毎回カラダを繋げた後は絶対この言葉を口にする。
「ゴールド、もう授業はサボらないと約束しただろう」
「だって誰かさんのせいで歩けねぇんだもん」
「なら俺が教室まで連れていってやる」
姫抱きで、と付け加えればボスッと枕を投げつけられた。(痛いぞ、おい)
「それに…授業全然分かんねぇし…」
そう言って拗ねたように唇を尖らせる。(可愛い…)(とか思っている場合じゃないな)
今までまともに授業に出たことがないゴールド。
今さらきちんと授業に出ても無駄だと思っているみたいだ。
そんなゴールドに諭すように語りかける。
「ちゃんと高校を卒業して俺と一緒の大学に行くんだろう?」
「………」
「なら授業に出ろ。授業で分からないところがあるなら俺が教えてやる」
お前はやればできるんだ。
俺がそう言うとゴールドは暫く口を閉ざした後"わかった"と呟きながら俺に抱きついてきた。
そんなゴールドを優しく抱きしめ返し頭を撫でてやった。
「よし、じゃあ教室に戻るぞ」
時計を見ればあと5分で昼休みが終わり、そろそろ保険医が戻ってくる時間だ。
抱きしめていたゴールドのカラダをそっと離そうとするがゴールドはぎゅうっとしがみついて離れようとしない。
「ゴールド?」
「…もうちょっとだけ…」
このままがいい。
そんなある日の出来事
(2010.4.24)