「ねぇソウル」
「なんだヒビキ?」
「キスして?」
ぶふっと飲んでいた苺牛乳を盛大に吹き出してしまった。
「ソウル汚いよ」
「お、前がいきなり変なこと言うからだろ…!」
ハンカチを出してオレの制服についた苺牛乳を綺麗に拭きながら汚いなどと言ってくるヒビキに反論する。
ちなみに今は昼休みでヒビキと一緒に昼飯を食っている最中だ。
「だってソウル…僕にキスしてくれないから…」
付き合って一カ月経つんだよ?と顔を赤くして少しもじもじしながらぼそっと呟いた。(何こいつ可愛すぎる)
「キ、キスはオレ達には早いと思うぞ」
「でもレッドさんはグリーンさんと付き合って一週間でキスしたって言ってた」
「あの二人は…特別なんだよ」
もともと幼馴染で仲がいいからすぐにキスできたんだ。
でもオレ達は…、それにキスとか恥ずかしすぎる…!
「――って…何泣いてんだよヒビキ!?」
「…ふぇ…」
目尻にたくさん涙を溜めて泣いているヒビキ。
「なん、で…キスしてくれないのソウル…僕、魅力ない?」
「そんなことねぇよ!」
ヒビキの肩を掴みオレは必死に否定した。
「お前は誰よりも魅力的で可愛くて綺麗でそれに優しくて…クラスに馴染めてないオレに声かけてくれたのもヒビキだけで…」
(その時オレはお前に一目惚れして、)
「ヒビキみたいな魅力的なヤツなんか何処にもいない」
息継ぎなんてしないままオレの気持ちをヒビキにぶつけた。
ヒビキ、顔が真っ赤になってる。
「ソ、ウル…」
「…キス…しよう、」
目尻にたまっていた涙を拭ってやり頬に両手を優しく添えてゆっくり顔を近付けて。
「ヒビキ」
「ん…」
オレ達は今日初めてキスをした、
青春始めました
(俺達の青春はこれから)
(2010.3.22)
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