「なぁお前らってもうエッチした?」

「…っ…!!」

予想外の質問に思わずぶふっと飲んでいたオレンジジュースを吹き出してしまった。

(いきなり何を言うんだこの先輩は)

なんて思いながらレッド先輩をちょっと睨む。
今日はレッド先輩がウチに遊びに来ているんだ。
そして俺の部屋で雑談をしている最中で。
さっきまでポケモンの話をしてたのにいきなり変なことを言わないでほしい。

「えっと…」

「お前ら付き合って一ヶ月ちょいだろ?」

「そうですけど…」

俺とシルバーは一ヶ月ぐらい前から付き合い始めた。(ちなみに告白したのはシルバーから)
そしてレッド先輩は俺達が付き合っているのを知っている一人だ。

「…まだしてないですよ…手繋いだり…キ、キスはしましたけど」

「…ちなみに深いのは?」

「えっ…深いのはまだ…」

…俺は先輩相手に何を言ってるんだろう。(恥ずかしすぎる)

「…そっか…キスしてるのか…」

俺がシルバーとキスしていると答えた瞬間レッド先輩のテンションは明らか下がった。

「ど、どうしたんスかレッド先輩?」

「…いいなお前らは…もうキスまでしてるなんて」

「レッド先輩もしてるでしょ?グリーン先輩と」

ちなみにレッド先輩とグリーン先輩も三ヶ月ぐらい前から付き合い始めている。
三ヶ月も経っているんだからキス以上のこともしているはずだ。

「…キスどころか手さえ繋いでないよ」

「えっマジッスか!?」

驚きすぎて思わず大声になってしまった。
グリーン先輩意外に手が早そうだから付き合ったその日にヤってると思ってたのに…!

「…俺魅力ないのかな…?」

「そ、んなことないッスよ!」

必死にフォローするけどレッド先輩の気分は下がっていく一方で。

「魅力的過ぎて手が出せないんスよきっと!」

「でも付き合って三ヶ月以上経つのに手さえ繋がないってあり得ないだろ」

付き合って一ヶ月のゴールド達でもキスまでしてるのに。
そう呟くと机に額をくっつけついには嗚咽まで聞こえてくる始末。

「レ、レッド先輩泣かないで下さい」

「…ゴールドー…」

泣きながらぎゅっと抱きつかれそこからグリーン先輩の愚痴を三時間も聞かされることになるのを俺はまだ知らない。





きいてきいて!

(――ってことがあって…ゴールド聞いてる?)
(は、い聞いてます…)




(2010.3.17)


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