「もう無理!こんなもんやってられるか!!」
手に持っていたシャーペンを放り投げ俺の叫び声が教室中に響き渡った。
「ソウルがんばれ!もうちょっとだよ!」
「もうちょっとじゃねぇよこれ」
只今教室で居残り勉強中だったりするわけで。
オレは成績は良い方なはずだ。
英語も国語も社会も理科も体育だって得意で点数も80点以上は当たり前。
そんなオレも数学だけは大の苦手だ。
数学だけ毎回点数が悪かったりする。
そして今回のテストも25点という最低最悪な点数を取ってしまった。
だって意味分かんねぇんだよ。
タンジェントってなんだ。
そんな最低最悪な点数を取ってしまったオレにマツバ…先生がご丁寧プリントをくれた。(10枚もいらねぇよ!)
そして今やっと6枚目のプリントをやり終え7枚目に差し掛かろうとしたが、問題の意味が分からなく冒頭に至るわけだ。
「ソウルファイト!」
「ファイトじゃねぇし…なんだよこの問題、意味分かんねぇ」
「これはさっきの公式を応用すれば解けるよ」
そしてヒビキに数学を教わっている最中でもあったりする。
なんでお前は数学だけ得意なんだ。
ほかの教科は赤点ギリギリでオレが教えてやっているのに。
なのに数学だけはいつも90点代をキープしているという不思議。
「もう数学とかどうでもいいし」
「どうでもよくないよ!数学は重要なんだから!」
タンジェントなんてこの先の人生使うことなんかねぇだろ。(断言できる)
「…本当にやる気でねぇ…」
ヒビキと二人っきりってのは嬉しいけどなんで数学なんかやらねぇんだよ。
早く家に帰ってヒビキとあんなことやこんなことを…。
「─…じゃあキスしてあげる」
「…ヒビキ?」
「残りのプリント全部終わらせたら…ご褒美に…キスしてあげるから、」
だからがんばれ
そう言って顔を真っ赤にしてヒビキは俯いてしまった。
本気で言ってるんだよな?
あのヒビキからキス…!
「…頑張る」
「…うん」
ご褒美にキスはいかが?
(豆太郎さまに捧げます!)