あるのとないのとではやっぱりある方がいい。
それは何に関しても言えることで、

「はぁ…」

机にほっぺたをくっつけたまま溜息をついた。
そして自分に胸に手を伸ばす。
少し揉んでみればむにゅっとした感覚…はあまりない。

溜息をついて大きくなるならいくらでもつくのに
なんて思って再び溜息をついた。

僕の胸はちっちゃい。
AよりはあるけどBには満たない。
せめてBは欲しかった。(夢はCだけど)

なんでこんなことを考えているのか。
ソウルとグリーンさんが廊下でこんな会話をしているのを聞いてしまったのが始まりだった。

『――お前は胸でけぇのちっちぇのどっちが好きだ?』

『…は?』

『だから胸あるのとないのとどっちがいい?』

『…まぁある方がいい…ですよね――』

その先が聞きたくなくて逃げ出してしまった。そうだよね…ないよりある方が絶対いいよね。

胸を大きくする方法は揉むことが一番だってコトネちゃんが言ってたけど自分で揉んでもあまり意味がないらしい。
誰かに揉んでもらうことで意味があるとも言ってた。

(ソウルに頼んだら揉んでくれるかな?)

なんて思ったけどこんなちっちゃい胸なんか揉んでくれるのかな?

考えれば考えるほど気持ちは沈んでいく一方で僕はまた溜息をついた。




おおきくなぁれ




(2010.2.26)

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